2015年 撮影紀行(その15)



12月7日 百蔵山

 百蔵山は3日前に訪れたばかりであるが、当日撮影した富士山は山頂が雲で覆われ、秀麗富岳十二景カレンダーに採用する写真としては相応しくなく、再び百蔵山を訪れ撮影することにした。
 午前3時30分、西コースの登山口を出発。風は殆どなく満天の星空、3日前同様、天候には恵まれたようだが、富士山頂が雲に覆われていなければと望みを託す。途中の展望所から望むと薄らと富士山の輪郭は見えているが、靄が掛かって雲の有無までは確認出来ない。予報で今朝3時〜6時の湿度は100%。空気中の水分が多いため抜けが悪いようである。
 山頂には4時40分到着。相模湖付近は雲海に覆われているが、大月市の桂川沿いにそれは見られず、代わりに街灯りがキラキラ輝きを見せている。本来であれば街灯りの延長上に富士山が見えるはずだが、靄で姿がはっきりしない。肉眼では分からないが、デジタルカメラのバルブ撮影で写る可能性があり、その画像で確認することにした。その結果、富士山はしっかり写っていたが、山頂に僅かながら雲が掛かっている。恐らく明るくなる頃には掛かっている雲は全てなくなると思われる。
 6時の気温は0℃、風がないせいか寒さはそれ程感じない。暫くすると周辺は明るくなり全容が分かるようになってきた。富士山頂には雲はなく雪を被った美しい富士山が目前に迫っている。
 日の出時間は6時37分(東京)朝焼けに期待を寄せたが、東の雲が朝日を遮断したため焼けずに終わった。富士山前面に棚引く雲があり、多少なりとも富士山の構図に変化を与えている。山頂にいてもこれ以上の変化は期待できず、8時15分、下山を開始。
 今回撮影の富士山は、山頂が雲で覆われた4日撮影のものとは異なり、12月のカレンダーに採用できるように思う。採用する写真の選択はフィルムの現像結果で決めることにする。登山口には9時05分に到着。今日は下山が早かったせいか登山者に出会うことはなかった。


今日の富士山 

肉眼で見えない富士山を捉えた        5:10頃    


日の出直後だが富士山に朝焼けはない   6:50頃






山頂に光は入ったが時遅し朝焼けはない 7:05頃


棚引く雲が画面に変化を与えている     7:40頃







山頂と登山道の状況

以下写真は下山時に撮影したもので時間を追って並べてある。

百蔵山山頂        8:10頃  

東西に長い山頂      8:10頃
松の木にビニールの帯が巻いてある
(熊除けか?)    8:10頃  

葛野部落への分岐点          
  8:25頃




   中腹の富士山展望所      8:
35頃

岩石が転がる中腹の登山道      
    8:55頃


登山口近くの水場    9:00頃  






登山カード提出箱   9:05頃  


登山口駐車スペース 9:05頃







                              使用カメラ ・OLYMPUS E-M1  ・FINEPIX  F1000EXR 



12月4日 百蔵山

 今年も当初から秀麗富岳十二景の2016年カレンダー作りに挑んでいる。その月に十二景のそれぞれ異なる山から今年中に撮影した富士山で構成すべく進めていたが、8月は悪天候が続き撮影が叶わなかった。その時点で目標達成は途切れたが、やむなく8月は他の年の写真で補うことにした。
 今年も最終月となり、残された山は百蔵山からの富士山のみとなった。自作には時間も掛かり、何としても撮影しなければならないと心に決め、天候に恵まれた12月も早い時期に訪れることにした。
 西コースの登山口に午前3時に到着。今日は冬型の気圧配置となり、強い風が吹いているが天空は満天の星空、高い位置に下弦の半月が輝き、天気は間違いなく晴天である。写真の善し悪しは別とし、富士山の姿は捉えられると確信した。
 3時25分、登山口を出発。風は強いが気温はそれ程低くないように感じる。天空に半月が輝いているせいか、登山道にも僅かながら明るさがもたらされている。4時00分、松の木が群生する展望地に到着。街灯りは鮮明に見えているが、予想に反し富士山の姿は確認出来ない。靄が掛かっているようにも見えるが、或いは雲に覆われている可能性もある。
 4時20分、葛野部落への分岐点に差し掛かる。稜線に出ため冷たい強風に煽られ、掻いた汗は一気に乾かされたため寒さが身に染みる。
 山頂には4時40分到着。強風からやや解放される。気温は4℃、寒さは少し和らいだ感じである。灯りが綺麗で素晴らしい夜景に感動するが、どうしたことか富士山の姿は見えない。所々に雲があり富士山を覆っている可能性がある。暫く様子を見ることにしたが、やはり富士山頂には雲が掛かり山頂は見えない。これでは写真にならず暫く待機することにした。
 日の出時間が近づくと、富士山周辺の雲が紅く焼け出した。しかし、山頂の雲は動こうともしない。今日は何とか富士山をカメラに収めなければならないと、雲が取れるまで腰を落ち着けることにした。気温は6時30分に0℃に下がったが、それでも平年よりも高めでそれ程寒さは感じない。昼を過ぎても山頂の雲は立ち退かず、夕方まで待つことにした。
 強風は治まった感じであるが、風の方向が定まらない。日差しは強いが、山は荒れ模様である。今日は天気に恵まれ登山者が多く登って来た。皆さん口々に富士山を見て素晴らしいと感動していた。夕方になっても山頂の雲は取れず、夜景に持ち越すことにしたが、今日は早朝から張り付いている雲は取れないことを悟った。17時30分、殆ど暗がりの中、下山を始める。早朝4時30分に山頂を踏み、13時間滞在したことになったが、カレンダーに採用出来る写真は残念ながら撮ることが出来なかった。基本的に山頂の水平部分が見えない富士山は除外している(笠雲や吊し雲は別)。近い内に再トライするつもりである。暗い中の下山は久しぶりで、慎重を強いられた。



今日の富士山


以下、時系列に並べてある


早朝から雲に覆われている
  日の出時間になっても雲は取れない       (靄に覆われている感じ)
山頂は強風が吹き荒れている様子

昼頃に雲は一時少なくなったが、光線の関係で撮影は不適
夕方になると山頂を覆う雲が多くなった。
間もなく雲は取れそうであるがこのまま 一晩持ち越す可能性あり


                                                                                      使用カメラ:OLYMPUS E-M1