2021年撮影紀行(その5)




12月25日  岩殿山(丸山公園)

 今年最後のカレンダー用写真の撮影となった。今月 10 日に岩殿山の丸山公園を訪れたが、予報に反し天侯が悪く富士山は姿を現してくれなかった。今回は前回の再チャレンジという事になった。
 今日は今年初めての最低気温を記録した。家を午前 4 時に出発する際、車のフロントガラスには霜が凍り付き、それを除去するのに10 分程掛かり出発時間がやや遅れた。それでも岩殿山の駐車場には5 時 25 分に到着。日の出時間 6 時 43 分までには大分余裕があった。駐車場の路面は凍結し、車から出る際、滑って転倒しそうになったが、辛うじて体のバランスを保った。
 丸山公園には 5 時 50 分に到着。未だ暗い中にも富士山の姿を確認できた。山頂とは異なり、富士山の高さを感じる。岩殿山のシンボル的な存在の山頂に繋がる巨大岩は表面の風化と思われるが、所々で剥離した岩が落石として麓に落ち、ふれあいの館から上には登山道が閉鎖されている。このため、山頂へ行くことが出来なくなっている。山頂に行くには北側の畑倉から別ルートで登ることは出来るが、このルートを登ったことがないため今回は見送った。
 日の出時間が近付いてくると富士山上空は仄かに薄ピンク色に染まって来た。間もなくすると朝日が富士山頂に届き、日の出のドラマは間もなく終わった。残念ながら感動するほどの朝焼けには至らなかった。
 ふれあいの館の門を出て、下山方向に歩くと街中(大月市内)と富士山という、良い撮影ポイントがあり、暫く撮影を続けながら、9 時 20 分には駐車場に戻った。この時間になっても駐車場の路面は凍結していた。


今日の富士山

 

                日の出直後の富士山           6:50 頃  
               山間の街と富士山              8:20 頃




岩殿山丸山公園

 

扇山山頂              7:10頃      
山頂からの下山方向         7:15頃
鳥沢方面への案内標          7:20頃


鳥沢方面へのへの下山道       7:25頃    
ツツジ群生地への分岐点    7:40分頃
展望所からの富士山        7:50頃




                                     使用カメラ:OLYMPUS E-M1   ・CASIO EX-ZR62





11月15日  雁ガ腹摺山(大峠から)

 今回は山には登らず大峠から撮影することにした。前回、10 月21 日に笹子雁ガ腹摺山に登り、下山時に山頂直下の急斜面で転倒し、膝と腕にかすり傷と両膝に打撲を負った。何れも軽度だったが、筋肉痛と腰の痛みが残り、今日は大事を取って雁ガ腹摺山へは登らず大峠から富士山を撮影することにした。
 大峠には午前 3 時過ぎに到着。駐車場には車は 1 台も止められていなかったのは意外だった。紅葉も殆ど終わっていることもあり、撮影に訪れる人も居ないのだろう。登山者もまだ時間が早く、明るくなってからやって来ると思われた。大峠からは暗い中に富士山は既に姿を現していたが、驚いたのは満天の星空で天空は埋まっていた。こんなに凄い星空を見たのは初めてであり、天空からの降るような星に押しつぶされそうで怖い感じがする。
 今までに山頂まで登った場合は、この時期、5 時 30 分頃の到着となり、暗夜でなく天空は明るみを帯びているため、星の輝きは半減し目で見える星の数は少ない。今回、大峠から天空を仰ぐ星座は極めて鮮明で、今までに体験したことのない星空である。
 早速、撮影の準備に取り掛かる。最近、星の撮影はデジタルカメラの特性を生かし、星を流さず点で撮る方法が多い。フィルムカメラでは星を点で撮ることは難しいが、デジタルカメラでは高感度の設定が可能で、暗い所でも撮影可能である。出来れば明るいレンズを使った方が有利である。私のカメラはマイクロフォーサーズ(18mm×13.5mm)というマウントで、フルサイズ(36mm×24mm)に比べセンサーの大きさは約 1/2 である。星空の撮影ではセンサーサイズの大きい方が絶対的に有利である。暗い所での撮影ではノイズが発生するため、センサーサイズが小さいとノイズが画像に表れ、解像度が悪くなる。今回の星空撮影でもそれが如実に表れている。大峠からは富士山も良いアングルで見ることが出来、山頂に行かなくとも素晴らしい写真が撮影できる。




今日の富士山


           大峠からの星座と富士山       4:25 頃
              大峠からの富士山と秋色に彩づく山並み      6:55 頃















11月15日 お伊勢山

 大峠を 7 時 30 分に出発し、お伊勢山に向った。途中、コンビニに立ち寄り、食料を調達。お伊勢山近くの大月富士見苑の駐車場に8 時 30 分に到着した。お伊勢山には白籏史郎先生の顕彰碑が建立されており、現在はお伊勢山公園となっている。
 白籏先生は 2019 年 11 月 30 日に亡くなられ、ちょうど 2 年が経過している。公園には秀麗富岳十二景写真コンテストの歴代の最優秀賞作品が展示されている。
 現在は秋も深まり、お伊勢山から見る景観は秋色が鮮やかに彩りを見せている。そんな情景をカメラに収めた。


今日の富士山


           秋色豊かなお伊勢山公園からの富士山       8:50 頃
                   同    左               9:20 頃



白籏史朗先生の顕彰碑  




                                              使用カメラ:OLYMPUS E-M1   ・CASIO EX-ZR62






10月21日  笹子雁ガ腹摺山

 笹子雁ガ腹摺山を訪れるのは 2019 年 11 月 29 日に訪れて以来 2 年振りである。この時は僅かな積雪があり雪景色の富士山が撮影出来た。笹子雁ガ腹摺山はハードな山で特に山頂直下は急峻な斜面が続き難儀する。また、山頂からは視界が狭く意図した写真を撮ることが出来ず、100m 程南に下った所に、狭い視界ながらも、唯一、富士山を撮影出来るポイントがある。この場所は下り斜面で足場が悪く、三脚も立てづらく、長い間立っていられないような場所である。更に富士山を撮影する際、前面に 3 本送電線鉄塔が入り込み、自然景観に調和しないなど、撮影に関しマイナス要素が多く、富士山の撮影に関し、富岳十二景の中でも不人気な山である。
 笹子隧道入り口付近の空き地に車で到着したのは午前 2 時 40分。風が強く木の葉を揺らす風の音が煩く感じる。満開の星空で西方向には十六夜の月が地上を照らし昼間のように明るい。午前 3時、登山口を出発。暫く道なりに登り笹子峠を通過。ここで急斜面を登るコースを横目に、急斜面を回避するため、甲斐大和へ通じる道へ合流し、山頂に向かう登山道へ出会う積りで先に進んだが、一向にその登山道に出会わない。更に進んだ先で、出会うかもしれないと思ったが、不安が過り笹子峠まで戻ることにした。笹子峠から急斜面を登るのは自信が持てないと思い、新しく整備された登山道を登ることにした。ここで 30 分程のロスタイムを負った。 尾根道と中腹道の分岐点を 4 時に通過、ここからはアップダウンの少ない中腹道を行くことにした。一番目の鉄塔を 4 時 10 分に通過。相変わらず風は強く、寒さが身に染みる。月明りは夜間歩く登山者の強い味方となってくれる。この明るさがあると登山道を外すことは無い。
 尾根道と中腹道の合流点を 4 時 40 分に通過すると、間もなく二番目の鉄塔である。ここを過ぎると、一旦下ってから山頂への登りに入る。所々にプラスチック製の土中に埋め込まれた階段が設置されていて、急斜面でも登り易くなっている。山頂に近付くに連れ、勾配が強くなり登るペースが極端に遅くなる。
 山頂には 5 時 30 分到着。日の出時間 5 時 53 分には辛うじて間に合った。山頂からは木々の僅かな隙間から富士山が展望できるが、富士山を撮影するには適当ではないため、100m 程南に下った場所から撮影することにした。この撮影ポイントも視界は狭く、広角系のレンズは使うことが出来ない。更に下り斜面で足場が悪く、三脚の設置にも難儀する場所である。
 富士山は雪を被り、冬の富士山らしい姿を見せている。やや雲の多い天気だがピーカンよりは増しである。日の出時間に近付いたが、東の空には黒い雲があり太陽の光を遮っている。光の差さない富士山はやや不機嫌な顔に見えるが、堂々とした姿は健在である。暫くして東の黒い雲から太陽が抜け出し、朝陽が富士山頂に届き出した。日差しが届いた時の富士山は蘇ったように元気な姿を見せてくれた。
 8 時 40 分、山頂を後に下山を始める。山頂から 100m 程下った急斜面で勢い余って転倒したが、打撲などもなく多少のすり傷で済んだ。辛うじて谷底に落ちるのは免れたが、危ないところだった。下山は時間を掛けてゆっくり降りた。二番目の鉄塔付近からは富士山の姿は雲に隠れ、見ることは出来なかった。トンネル入り口付近の車を置いた空き地に到着したのは 12 時丁度だった。


今日の富士山

 雲のやや多い天気だったが、10 月の季節感がある写真が撮影出来たと思われる。来年のカレンダー写真(10 月)に使用する予定である。

山頂から南に下った撮影ポイントから 日の出時間直後    6:05 頃
山頂から(山頂からの富士山は視界が狭い)          7:35 頃




山頂および登山道

 山頂は東西に細長く、山頂から見られる富士山は木々が邪魔となり視界が悪い。展望がやや増しなのは、山頂から南に 100m程下った場所が良いが、視界は狭く斜面のため足場が悪い。


山頂の様子(山頂は東西に細長い)8:35 頃
山頂は細長く広い(富士山の展望は最高)
9:10頃
山頂直下の急斜面 10:10 頃    



                                              使用カメラ:OLYMPUS E-M1   ・CASIO EX-ZR62