2012年撮影紀行 NO17




11月8日 百蔵山


  百蔵山は真夏の7月に訪れて以来4箇月ぶりである。麓では紅葉が最盛期を迎えているようであるが、標高1000mの山頂はどのような状況なのか、紅葉をレイアウトした富士山を撮ることができればとそんな願いを持って訪れることにした。
  今回は西コースを往復する予定である。午前3時30分、和田美術館先に有る駐車場に到着。既に一台の車が止められていた。今まで長い間この様なことはなかったので、不気味な印象を持った。車には誰も乗っていないし、カメラマン以外は考えられないことである。山頂で出会うことになれば判明する。
  4時00分、登山口を出発する。星空が望め天気は良さそうである。気温はかなりの冷え込みを見せているが真冬に比べるとまだ高く、中途半端に汗を掻くと山頂で寒い思いをすることが多いため、汗を掻かない程度のスローペースで登ることにした。
  途中の富士山が展望できる場所に差し掛かった時に、バルブをやっているのでと、声が掛かった。一台止められていた車の主だと直感的に思った。長時間露光撮影をしていたようで、私のヘッドランプの灯りが影響することを避けるため前もって声を掛けたようである。
 山頂には5時20分に到着。汗で身体が濡れることなく程良く身体が温まり、寒い思いはしないで済んだ。周辺は既に明るみ、天気は良く、たっぷりと雪を被った富士山が堂々とした姿を見せている。今日の日の出は6時10分頃。日の出が近づくに連れ天空が染まり、そして富士山も薄紅色に色づき始めた。富士山に朝日が差し込む時こそが、感動する一瞬である。この様な感動が得られるからこそ未明からの登山が止められないのである。暫く経ち山頂の紅葉した葉に朝日が回ると、彩色を見せてくれた。朝焼けの富士山と見事な紅葉、今日は素晴らしい光景に出会え、撮影にも力が入った。
  8時20分、下山を開始する。途中の展望所からも富士山は相変わらず美しい姿を見せてくれている。登山口には9時15分に到着。未明に止められていた車は未だそのまま置かれている。下山途中出会うこともなく何処へ行ったのだろうか?そして、もう一台の車が止められ2人の男性が登山準備を終りこれから登る所である。



今日の富士山


夜明け前               5:35頃      

日の出時間                6:10頃

前面の木に陽が当たり葉が    紅く染まっ
た   6:25頃  





同上                  6:40頃    

雪をたっぷり被った堂々とした   富士山  
7:20頃  


同左                 7:30頃  






山頂と登山道の状況


山頂の広葉樹は程良く色付きを見せているが、全般に最盛期は過ぎている。


山頂の様子                      
山頂直下の登山道
山頂尾根への取付点

登山口近くの水場





                                       使用カメラ:OLIMPUS EP-2  FINEPIX F300EXR






11月16日 雁ヶ腹摺山・姥子山


 10月21日、大月市の雁ヶ腹摺山での撮影会に参加し早1ヶ月になろうとしている。この1ヶ月の間に山はどのような変化を遂げたのか、実際にこの目で確かめたいと思い、雁ヶ腹摺山を訪れることにした。
  午前3時25分、大峠の駐車場に到着。車は未だ一台も止められていない。今日はいつもの撮影場所(山頂直下の大きな岩の上)が確保されそうである。気温は−1℃、想定していた気温より3℃ほど高い。ピリッとした空気感があまりないが、星空は鮮明に望むことができる。今日も天気は良さそうである。
  3時40分、大峠を出発する。登山道は霜や霜柱で凍り付き、歩くとバリバリと音を立て、静寂の中、賑やかである。途中の展望所から暗いながらも富士山の姿ははっきり確認出来、撮影に期待が掛かる。  
  山頂直下の撮影場所に着いたのは4時45分。気温-3℃、やや高めと思われるが、風も殆どなく穏やかな天気のようである。降るような星空が天空に広がり、あまりの綺麗さに、バルブ(長時間露光)撮影で星空と富士山を撮ることにした。2枚ほど撮った所で周辺は明るみ、バルブ撮影は困難となった。引き続き日の出時間帯の紅富士を狙う準備に入る。富士山山頂の雪は例年になく多く、麓付近の雪がない所とのバランスが良く、安定感のある富士山を望むことができる。
  今日の日の出時間は6時17分。東の空は紅く染まり、今日の幕開けが始まろうとしている。南の空の色も刻々と変化し、やがて富士山に朝日が入ると山頂の雪面がピンク色に染まりだした。刻々と変化する色調に合わせ夢中でシャッターを押し続けるが、感動の時は、一瞬にして終わった。その後も時間を追って撮影を続け、7時30分、山頂付近に撮影場所を移動する。
  山頂直下のダケカンバは葉を落とし、1ヶ月前の紅葉時期の情景とはだいぶ異なり、冬への移行が急速に進んでいることが確認出来る。これから山は本格的な冬を迎える。
  山頂付近からの撮影を終え8時20分、下山を始める。登山道の状況などカメラに収めながら大峠には9時20分に到着。下山途中、2〜3人のグループ4組と出会った。平日にも関わらず、多くの人が訪れ、やはり人気の山であることが伺い知れる。
  今日は天気にも恵まれ、クリヤーな富士山を望むことができた。1ヶ月の僅かな間に雁ヶ腹摺山も紅葉時期とはすっかり変わり、木々の葉は落ち本格的な冬山の様相を呈している。これから富士山の積雪も更なるに増加があり、1年中で最も美しい冬富士の撮影に期待が寄せられる。




今日の富士山


夜明け前の富士山              5:30頃    




日の出時間帯の富士山          6:20頃  






朝日が周辺に廻った頃           6:25頃    




山頂直下の葉を落としたダケカンバ      7:50頃








山頂と登山道状況


雪を被った南アルプスの山       7:10
頃     左のピーク:赤石岳             右
のピーク:悪沢岳  

 山頂の様子(新たに山名表示標が設けられ
た)  8:00頃



山頂直下の登山道           8:25頃  





マルバダケブキの綿毛      8:25頃  
造形したような自然の岩石    (山頂近
く)    8:30頃  



 登山道にできた霜柱         8:40頃





氷の花          9:00頃
斜面に設置された木道  9:00


大峠の駐車場     9:20頃







                                              使用カメラ:  OLMPUS EP-2   FINEPIX F300EXR