2019年撮影紀行(その1)




2月24日 岩殿山

 昨年12月7日以来の久々に富士山撮影に出掛けることにした。正月早々風邪を拗らせ、咳、微熱、食欲不振が続き1月は殆ど寝込んでいた。元々痩せ型の体型で58.5kgだった体重が5kg程減り、1月下旬になると53kg台の体重に落ち込み、更にやせ細った体型となった。咳が連日続いたため副鼻腔炎を発症し鼓膜に水が溜まり、耳が良く聞こえない状態が続いていた。そんな状況の中、秀麗富岳十二景写真コンテストの応募締め切りが近づき、送り出すまでの作業が残っていた。応募写真のプリントは昨年末に出来上がっていため。残作業は画題及び応募票の作成と応募写真の発送であった。しかし、その作業をする気力は無く、一掃のこと応募を諦めようと考えたが、プリントも上がっているし、何とか応募しようと気力を振り絞り、期限までに送り出した。その後、2月に入り暫くすると耳の聞こえは正常になり、風邪の症状も快方に向かった。風邪で1ヶ月程寝込んだのは初めてだった。歳を重ねているせいか治癒力も鈍いせいか体重が中々元に戻らない。  
 その後、2月中頃を過ぎ体重にも少しずつ改善が見られた。運動不足を補うため機材を担いで岩殿山に登ることにした。山頂までの距離は短いが、コンクリートの階段を上るのは容易でない。車を置いた市民会館から山頂まで丁度1時間掛かった。
 朝5時に山頂へ到着したが、東の空はオレンジ色に染まり、既に周辺は明るみを帯びていた。雲が多く、靄が立ち抜けは悪く富士山は朧気な姿を現している。日の出時間が近づくと徐々に抜けは良くなり、撮影に入ったがピーカンに近い状態で、月並みな写真がカメラに収まった。 6時半の気温は氷点下4℃まで下がり厳しい寒さだったが、太陽が昇るにつれ、暖かさが増してきた。今日は晴天が続き日曜日と云うこともあり、山頂に登ってくる人達も多かった。
 これ以上山頂に居ても状況は変化はないと思われ撮影を終えた。8時40分に下山を始め、車を置いた市民会館には9時30分に到着。階段を降りるには膝と腰への負担が大きく、これらを庇いながらの下山は結構辛かった。もう少し高い山に登るにはトレーニングを積まないと難しいと思った。


今日の富士山

上空に筋雲が現れた時を狙った       7:10頃    
大月市内の街並と富士山           7:55頃



山頂の様子と登山道

岩殿山山頂                 8:40頃  
山頂南側から滝子山の展望        8:50頃


迂回路への分岐点               9:20頃  
山頂への入口(門柱)            9:20頃





                                        使用カメラ:OLYMPUS  E-M1        CASIO  EX-ZR62













3月5日 百蔵山


 百蔵山は昨年2月に訪れて以来1年ぶりである。今回は気象情報から雲海の発生が比較的高い確率で考えられたため、百蔵山を訪れることにした。百蔵山の南側直下は桂川が流れていて、その左右は山に囲まれ雲海の発生しやすい地形となっている。暫く降雨が続き大地に十分な水分補給がされ、この状況から雲海発生は極めて高いと思われた。しかし、当日は気温が高いとの予報が有り不安要素として頭の中に残る。
  今回は同行者1人と共に行動することになり、登山口駐車場で車中泊し早朝に出発することになった。日の出時間前に山頂到着目指し(東京の日の出6時04分)4時出発の予定であった。しかし、出発時に天候回復が遅れているせいか未だ雨が降っていた。間もなく止みそうな気配が有り、出発を30分遅らせることにした。
  4時30分、登山口を出発。雨上がりで登山道は多くの水分を含み、滑り易い状況かと思われたが、砕けた岩や小石があり、滑るような泥濘は無く、その懸念は払拭された。中腹の展望所からは街灯りが鮮明に写し出され雲海の無いことを物語っていた。曇り空で富士山の姿も見ることは出来ない。
  山頂には6時20分到着。雲海は未だ発展途上のようで疎らに散らばっている。富士山の姿も山頂は雲に被われ、広がった裾が見えている。間もなく雲はなくなり全容を現すような気配である。富士山の雪も昨晩降ったと思われ広がった裾野だけが見えている。周辺の山も雪を被り雪後の情景が目に入る。百蔵山山頂にも雪が降った痕跡が残されている。
  雲海は少しずつ発展してきているが、疎らに点在しそれらがなかなか?がらない。富士山頂の雲も次第に取れてきているが、形の良くない雲が形を変えながら居座っている。暫く雲の多い状態が続いたが徐々に雲が無くなり撮影チャンスが訪れた。周辺の山に積もった雪が画面を引き締めてくれている。
 今日は先ず先ずの写真が撮れたと思う。 9時20分山頂を後に下山。今回は大雲海に至らなかったのは残念だったが、富士山が姿を現してくれてラッキだったと思う。周辺の山に積もった雪は太陽の光に反射し印象に残った。登山口に戻ったのは11時。3月というのに気温も上がり春らしい陽気となった。今日は山頂で急峻な西コースを下山するという2人組の女性、これから扇山へ向かうという単独登山の女性と出会った。




今日の富士山


富士山東側の鹿留山、更に左側端の御正体山の積雪が太陽光に光り輝き印象的な場面を見せてくれた    7:10頃


中々雲海が湧いてこない            6:50頃    
今日の富士山は特に神々しい         8:55頃



山頂と登山道の状況


山頂の様子          8:55頃    
山頂からの下山道     9:20頃
葛野部落への分岐点      9:45頃

中腹の休憩所から      10:00頃    
登山口近くの水場     10:50頃
西コース登山口の駐車場  11:00頃


                                 使用カメラ: OLYMUS E-M1       CASIO  EX-ZR62









4月15日 奈良倉山


 奈良倉山は昨年4月19日に訪れて以来1年振りになる。この日は雲海が発生し、綺麗な朝焼けも見られ素晴らしい光景が展開された。今回も同時期で前日から雨が降り1年前の光景が脳裏に浮かんだ。今回もその光景が再現されれば良いと思う。
  奈良倉山へは所沢の自宅から青梅街道経由で小菅村に入り松姫峠を目指す交通経路で毎回現地入りしている。今回も日の出時間前に撮影地点に到着するよう自宅を午前1時に出発した。その出掛け直前から既に雨が降り出していた。予報では前日の23時頃からとなっていたが降り初めは2時間程予報より遅れた。降り初め時間が遅くなると天候回復が遅れ、日の出時間の撮影は難しくなるが、天候回復が早まることを願いたい。
 松姫峠には3時20分に到着。途中、雨足が強かったが到着したときは小降りで、出発する頃には殆ど止んでいた。雨の中を歩くつもりで上下雨具を付け、ザックにも雨カバーを装着し完全防備で出発に望んだが、出発直前には雨具は要らない位の状況になっていた。着込んだ雨具を外すのも面倒で、また降り出す可能性があるため、そのままの出で立ちで4時10分、松姫峠を出発した。
  今回の撮影場所は、最初に林道西側で行い、その後、山頂に移動し撮影を続ける予定である。山頂からの撮影は視界がやや狭く、雲海と富士山を撮影するためには制限を受けるため、視界の開けた林道からの方が絶好の撮影場所と言える。
 林道西側の撮影地には4時50分に到着。雨は止んでいたが雲が多く視界は悪い。しかし、富士山の両裾が見えているため全容を現すのは時間の問題と思われた。残念ながら期待した雲海は見られず、その代わり富士山の手前に2段になった棚引く雲が存在感を示していた。この情景は雲海よりも絵になると思われた。富士山の雪は昨晩追加されたようで、たっぷり雪を被った真っ白な富士山が印象的に目に映る。日の出時間は5時09分(東京)となっているが、曇り空のためこの時間に朝日が入るとは思えない。思い浮かべた朝焼けの富士山を撮影することは残念ながら叶うことはなかった。
 日の出時間を過ぎ、暫く時間が経過すると雲もだいぶ取れ、春の明るい光りが入るようになってきた。1日の内、最も気温の下がる時間は日の出の頃で温度計は3℃を示していが。風もなく穏やかな日和だが、日差しが入ってもやはり寒さを感じる。雲の動きも殆ど無く情景の変化は余り期待できず、山頂へ移動することにした。
 林道の撮影地点からだと山頂に行く登山道はこの付近と南側の2箇所があり、撮影地点付近の登り口だと少し戻ることになることから、やや急斜面となるが南側の登り口から山頂に行くことにした。

 山頂は比較的広く、先日降った雪が塊になって点々と残っている。山頂からは富士山は見えず、南に少し下がった展望所から撮影することにした。相変わらず富士山は真っ白で神聖な姿を見せているが、これ以上情景の変化は望めず、撮影を終えることにした。
 登って来た林道を下るが、山野草など見られると思い、途中から山道に入ったが1300mの標高は未だ冬の様相である。
  松姫峠の駐車場に着いたのは9時30分。駐車場には他の車は止められていない。今日も誰とも出会うことはなかった。






今日の富士山


  最初のうちは雲も多く、やや抜けも悪かったが時間の経過と共に真っ白で鮮明な富士山が見られるようになった。


林道西側からの富士山



光は無いが日の出時間帯の富士山        5:15頃  
富士山頂に朝日が当たった瞬間        6:10分頃



山頂からの富士山

 


空が広がり鮮明な姿で佇む富士山       7:15頃    
雲が湧き上昇気流で目の前に上がってきた  7:40分頃




登山道と山頂の様子


 奈良倉山は標高1349mの山であるが、十二景の山では大月市域の最も北に位置し、小金沢山よりも更に北にある。その点を考えると春の訪れも遅く、未だに新芽も吹かず、山の花も見られない状況にある。所々に雪も残り寒い冬の様相をしている。


林道から山頂への南側入口
 6:55頃    
山頂に向かう登山道    7:00頃
所々に雪が残る山頂     7:10頃

展望所と松姫峠に向かう道標  
8:45頃    
林道との出合        8:55頃
林道から山道に入る道標  9:05頃

唐松林の奥に見える富士山  
9:10頃  
松姫峠に向かう林道     9:15頃
林道途中から山道に入る   9:20頃

松姫峠駐車場        9:30頃    
バス停と奧に富士山     9:30頃
1時間1便の時刻表(上野原行)
冬は運行無し



          使用jカメラ: OLYMPUS E-M1   CASIO  EX-ZR62