2015年 撮影紀行(その10)



8月16日 倉岳山・高畑山

 ここの所未明から早朝に掛けて曇りの日が多く、富士山の撮影チャンスがなかなか掴めない。tenki.jpの予報でも晴マークが付くのは午前9時以降のことが多く、大気が不安定な状況から、予報の信頼度もCランクと低い。富士山ライブカメラでも早朝の時間帯はその姿を殆ど見ることができない。そんな状況の中、前日の夕方出された予報では午前3時から晴マークが付いていた。チャンスと思い、夕方に機材など車に積み未明に出掛ける準備を整えた。自宅を出発する際、予報を確認すると、晴マークは午前9時以降に変わっていた。予報が頻繁に変わるのは天候が安定していない証拠と考えられる。このため、実際は現地に出向かないと分からないというのが本当の所である。予報が変わったからといって、予定を今更変更するつもりはなく、富士山の姿が現れることを願って自宅を出発することにした。
 今回は、7月に撮影が叶わなかった倉岳山からの富士山に再チャレンジすることに決めた。コースも前回同様、秋山無生野の登山口から入ることにした。  
 登山口には午前2時に到着。途中、所々で雨に出会ったが、ここ登山口でも霧の発生と共に、時折小雨が混じる予想外の天気で、富士山が望めるかどうか難しい状況と思われる。
 ザックカバーを付け2時40分に出発する。雨は時折降る程度で体の中まで浸透することはないが、大変蒸し暑く、掻いた汗は内部に溜まり衣服が濡れる始末である。眼鏡は汗の湿気と熱でくもり、役立たずで外して歩くことにする。
 穴地峠には3時30分に到着。ガスの発生で視界が悪い。相変わらずの天候で小雨混じり、湿気が多く風もないため掻いた汗が引くことはない。山頂直下の急斜面を登り切ると間もなく山頂である。
 到着は4時10分。未だ暗いが、ガスで視界が悪いことは確認出来る。時折ぱらつく小雨、日の出時間になっても薄暗く視界は殆どない。一時明るくなり太陽の薄日が差すが束の間、視界は直ぐに閉ざされた。暫く待機するが天候回復は望めず、今日の撮影は断念し、久々に高畑山に寄って下山することにした。



登山道と花の開花状況

 無生野を登山口とする穴路峠まで利用する登山者は少なく、登山者と挨拶を交わすことは希である。利用者が少ないため、登山道はやや荒れている。この付近一帯は杉や檜の植林地帯で、杉の枝が散乱し歩きにくい箇所が多い。また、穴地沢の中を歩く箇所は岩や石がゴロゴロしていて歩きにくい。特に沢の水量が多い時は転倒しないように注意が必要である。
 今年は全般に花が少ない気がする。特に倉岳山〜高畑山の稜線には元々花はあまりない。倉岳山山頂にはキンミズヒキ(バラ科)やヒヨドリバナ(キク科)などが咲き、秋の気配を感じる。また、高畑山山頂には秋を象徴するシロヨメナ(キク科)が咲き夏の終わりを告げているようである。

キンミズヒキ(バラ科)     倉岳山
山頂    

ヒヨドリバナ(キク科)     倉岳山
山頂


乳白色の猿の腰掛        倉岳山
山頂





以下、撮影順に時間を追って並べてある


倉岳山山頂        7:50頃    

倉岳山から高畑山に向かう尾根道7:
50頃


穴路峠          8:20頃


天神山山頂        8:25頃    




高畑山への尾根道          8:35

キンミズヒキ(バラ科)        8:45

山頂直下の急登            8:50
頃    


高畑山山頂        9:00頃





シロヨメナ(キク科)    9:10頃

高畑山より富士山方向を望む
が・・・・・ 9:15頃  

天神山付近からの倉岳山  10:00頃

天神山から大月市内を望む 10:00




マツカゼソウ(ミカン科)    10:30
頃                    


同左

ツユクサ(ツユクサ科)     10:30頃

石や岩がゴロゴロの穴路沢  10:45
頃      






ダイコンソウ(バラ科)         
   10:50頃


無生野登山口      10:50頃










        行程:無生野登山口(2:40発)→穴路峠(3:30)→倉岳山(4:10着・7:50発)→穴路峠(8:20)
                               →高畑山(9:00着・9:20発)→穴路峠(10:10)→無生野登山口(10:50)


                             使用カメラ:FINEPIX F1000EXR




7月29日 ハマイバ〜湯ノ沢お花畑に咲く山野の花

 小雨の混じる濃い霧の中、湯ノ沢峠を午前2時30分に出発する。雲海の現れる淡い期待を持ちハマイバに向かう。お花畑を越え、小高いピークに向かい登りきると、暫く下りになる。途中、熊笹の生い茂った地帯を通過するが、花を咲かせ終わった左右の熊笹は確実に朽ちて頭を垂れ、通過を阻んでいる。更に、大蔵丸を越え暫く下った箇所も同じような状態で、丁度顔の位置が熊笹の頭を垂れた位置にあたり、通過に難儀する。ハマイバの撮影場所に到着するも、霧で視界はゼロ。暫く待機するが回復の兆しはなく、未だ薄暗い中4時50分、ハマイバを後にする。
 山野の花は最盛期を迎え、彩りを添えている。以下、下山時に写した山野の花達である。

ハマイバ〜大蔵丸間に咲く

コウリンカ(キク科)          

ヒヨドリバナ(キク科)  

ノアザミ(キク科)

コウリンカ(キク科)



 ウスユキソウ(キク科)  
ヤマオダマキ              
(キンポウゲ科)

シモツケソウ(バラ科)        

最期を迎えている熊笹        





大蔵丸〜湯ノ沢お花畑間に咲く


ガスが漂う大蔵丸山頂     5:30

ノイバラ(バラ科)               大蔵
丸〜湯ノ沢お花畑に咲く      



ウスユキソウ(キク科)  



コウリンカ(キク科)




シモツケソウ(バラ科)

ノアザミ(キク科)    

シシウド(セリ科)

ヤマハハコ(キク科)  



ヤマホタルブクロ       (キキョ
ウ科)


トリアシショウマ’           
(ユキノシタ科)



湯ノ沢峠        6:15頃





                                      使用カメラ: FINEPIX F1000EXR



7月20日 扇山

 扇山には今年積雪のある2月に訪れて以来である。季節は180度変わり、山の緑は色濃く染まり、花は最盛期を迎えようとしている。ここの所暑い日が続き、明日にも梅雨明けが宣言されると思われるが、これから本格的夏がやって来る。夏の富士山は雪が無く物足りない感じがするが、夏富士の素晴らしい情景が撮影出来ればと挑戦を続けている。
 当日のtenki.jpによる予報は夜半から早朝に掛けて曇り、朝9時から午後に掛けては晴のマークが付いていた。前日19日の天気も当日の予報と同じようなものであったが、前日のライブカメラには日ノ出時間に上空とその周辺の雲が焼け素晴らしい富士山が映し出されていた。撮影に出掛けていればと残念な思いをしたが、当日の予報が的中すると前日の情景が再現される可能性が高いと思われた。しかし、予報通り曇りだと早朝に富士山が姿を現さないことも考えられるため、深夜にライブカメラで確かめた上で出掛けることにした。この時期、富士山の登山道には一晩中、照明や登山者のヘッドランプの灯りが下界からは線を描いたように見える。その明かりがライブカメラで鮮明に捉えられていたため早速、準備を整え自宅を出発することにした。
 途中、八王子から上野原に掛けて小雨が降っていた。こんな筈はないと思いながら嫌な予感がした。しかし、大月に入ると路面はドライで雨が降った形跡はない。梨ノ木平の登山口に向かう途中、ゴルフ場の東側から富士山の姿を確認。これで面白い雲が現れてくれれば良い写真が撮れる可能性が高く期待が持てる。
 梨ノ木平の登山口には午前1時50分に到着。天空を仰ぐと星が見えるが、冷たいものが顔に当たる。小雨がぱらついてきたのである。風がやや強く、良く見ると雨雲が風に乗って北に流れている。大気が不安定のようだが、雨は一時的なものだったようで間もなく止んだ。
 準備が整い2時10分登山口を出発する。湿気が多く僅かな運動量にも関わらず汗が眼鏡に滴り、視界が妨げられる。その度に眼鏡を拭くのも鬱陶しく外して歩くことにする。暫く歩行を続けているうちに沢音が近づき水場に到着する。丁度良い場所に水場はあるが、休憩せずにそのまま通過する。ここまで比較的緩い登りであったが、これから稜線に出るまでは急勾配の斜面に設けられたつづら折れの登山道を行く。
 中腹の富士山展望所(ツツジ群生地への分岐点)には3時15分に到着。富士山の登山道の灯りが一際輝いて見える。この状態がいつまでも続いていて欲しいと願う。
 つづら折れを繰り返し登り、稜線(百蔵山への分岐点)には3時40分に到着。時折強い風が吹き付けるが、ヒートアップした身体には何とも心地よい。ここまで来ると山頂まで僅かである。
 山頂到着は3時50分。掻いた汗が強い風で急激に冷やされ、寒さを覚えたためセーターを着込む。辺りは僅かに明るみを帯び、富士山も良く見えてはいるが、雲が多く曇天という感じの空である。東の空は茜色に染まっているが、やはり雲が多く日の出時間に日差しが遮られる可能性がある。今日の日の出時間は4時39分(東京)。面白い雲はいくつも現れているが、日ノ出時間を過ぎても朝日が殆ど入らず暗い感じがする。富士山上空の一部の雲に僅かな色づきが見られたが、写真に写るほどでもない。暫くチャンスを窺うが、富士山に光が差すことなく、それ以上の変化はないと思われた。もう少し光が入りコントラストがあったら特徴ある写真が撮れたと思われるが、特に夏場は気に入った情景に出会えることは少ない。
 8時、山頂を後に下山する。途中の展望所からの富士山には雲が掛かり始めていた。登山口には9時30分に到着。駐車場には自分の車のみ止められていた。下山時には休日と云うこともあって単独の男性登山者5人と出会った。


今日の富士山


 面白い雲が時折現れたが、残念ながら思うような写真を撮ることが出来なかった。



上空の雲が僅かに色付いた         4:45頃  


富士山中腹に僅かに朝日が入った瞬間           
     4;50頃  


鱗雲に覆われた(真上には青空が望め
る)  6:40頃















花の開花状況


 花は全般に少なく、開花も進んでいない。山頂にはウツボグサ、ノアザミ、ナンテンハギなどが咲き、これからが花盛りになると思われる。登山道際は水場付近でヤマアジサイ、ダイコンソウなどが見られる。花はこれからなのか、全般に少ない感じがする。


ノアザミ(キク科)  山頂        


ウツボグサ(シソ科)   山頂


ナンテンハギ(マメ科)   山頂





オカトラノオ(サクラソウ科)  山頂  


キヌタクソウ(アカネ科)   山頂近く
の登山道


ヤマアジサイ(ユキノシタ科)水場付





  ダイコンソウ(バラ科)      水
場付近    


  ドクダミ(ドクダミ科)      水場
付近  


  タケニグサ(ケシ科)     登山
口近く






山頂と登山道

以下、下山時(朝焼けを除く)に撮影した写真を時間順に並べてある。

山頂より東の空の朝焼け     4:30


扇山山頂          8:00頃


山頂からの下山道   8:05頃






  百蔵山への分岐点         8:10


  つづら折れの登山道       8:25


ツツジ群生地への分岐点   8:30頃





中腹展望所からの富士山   8:30頃


  登山道を塞ぐ倒木         9:20
頃  


   梨ノ木平駐車場       (自
分の車のみ)9:30頃






                                           使用カメラ:OLYMPUS E-M1   FINEPIX  F1000EXR