2013年撮影紀行 NO6




4月29日 大蔵高丸・ハマイバ


 林道の冬期閉鎖が解除され早速、大蔵高丸・ハマイバを訪れることにした。今回は富士山撮影と共に今年は開花が早いと思われるミツバツツジの状況を調べることにした。
 午前3時10分、湯ノ沢峠の駐車場に到着。既に3台の車が止められ、脇にテントが3張り張られていた。テントの中には未だ人が寝ているようである。大菩薩あるいは滝子山まで縦走するのだろうか?  天空には星空が望め今日も天気は良さそうである。気温は2℃、風はなく寒さは感じない。
 3時25分、大蔵高丸目差し出発。登山道は霜柱で歩くとザクザクと音がして軽快に歩くことが出来るが、下山時には気温か上がり霜が融けて泥濘になる可能性がある。
  お花畑北側の扉を開けてお花畑に進入。この扉は食害を防ぐため鹿などの進入防止扉である。お花畑を進むと北側に出口の扉があり保護区域の外に出る。天空には満月から3日目となる居待月が暗闇を明るく照らしてくれていて心強い限りである。
  大蔵高丸山頂には4時05分に到着。南西には富士山の姿が黒くシルエットになってはっきり確認出来る。周辺には雲一つない晴天である。気温は2℃、風は殆ど無い。
 今日の富士山はどの様な姿を見せてくれるだろうか?富士山頂の高い位置には居待月がカメラに向かって撮ってくれとばかりに微笑みかけている。要望に応えシャッターを5枚ほど切る。月と富士山を撮るのは時間的なタイミングが難しく、多少明るくなったころがベストタイミングである。富士山があまり暗いと長時間露光を強いられるため、30秒以内で撮影しないと月が尾を引き満月が楕円形になってしまう可能性があるためである。明るすぎると月の存在感が薄れ、なかなか満足の出来る写真を撮るのは難しい。
  東の空は色付きを帯び今日の幕開けの準備に入っている。日の出時間は4時50分頃。この時間帯には朝焼けが見られそうな雰囲気を感じる。富士山上空には薄雲が棚引きこの雲が焼けると絵になると思われる。上空の雲に光が入り色付き始めた。徐々に富士山の雪面にも朝日が入り仄かにピンク色に染まりだした。色付きはやや物足りないまでもクライマックスを迎えた。この時期にしてはまずまずの焼け方である。
  5時30分、大蔵高丸を後にハマイバに撮影場所を移す事にした。ハマイバ山頂を南に数分下った東側に視界の良い撮影ポイントがあり、そこで富士山を撮影することにした。富士山は相変わらずクリヤーな姿を見せてくれている。この時期にしては珍しく上空に筋雲が発生し、素晴らしい情景が展開された。
 ハマイバには素晴らしい撮影ポイントが幾つかあり、そのもう一箇所へ移動することとした。このポイントはハマイバ山頂から大蔵高丸に向かう途中にあり、視界の開けた場所である。前面にはダケカンバの林が広がり、奥行きのある富士山が撮影できるポイントである。7時前に到着したが、30分ほどすると山頂付近に透過性のある黒っぽい雲が東西に長く棚引き、やがて山頂を被うようになった。雲と云うより薄黒く排気ガスが棚引いている感じである。
 8時00分、このポイントを後に下山を始める。大蔵高丸には8時30分に到着。この頃には富士山に掛かる黒い薄雲が山頂を覆い撮影は諦めた。40分程休憩し、湯の沢峠に向かい下山することにした。駐車場には9時50分に到着。
 今日は下山時に大蔵高丸山頂で2名の登山者と出会った。1名の方はスミレの花に興味があり、写真を撮りに来たそうである。スミレに関しては詳しそうで殆どの種類が分かると云っていた。



今日の富士山


大蔵高丸より 居待ち月と富士山       
       4:35頃  





大蔵高丸より 朝日に焼ける富士山         5:00頃    











ハマイバより 筋雲と富士山         6:50頃  





 ハマイバより ダケカンバの林と富士山 7:20頃








登山道と花の開花状況


 今回はミツバツツジの開花状況を確かめる目的もあったが、暖かい日が続いた割には花芽が吹き出た程度で、開花はまだまだ先という感じである。標高が高いせいか山全体は冬の装いで、木々の新芽も見られず、春は未だ先のようである。それでも湯ノ沢お花畑から湯ノ沢峠の間には4輪ほどのタチツボスミレが咲いていたのは、唯一春を感じた瞬間である。
  お花畑付近の登山道には早朝霜柱が立ち、歩くとザクザク軽快な音を立て気持ちも軽やかになるが、日が高くなると霜柱が融けだし泥濘と化し、登山靴は汚れ、滑りやすい登山道に変化してしまうのは困りものである。


ハマイバ山頂      6:00頃      
ハマイバにて 花芽が少し吹き出でた
ミツバツツジ 6:10頃

ハマイバ山頂付近の登山道    6:35
頃 (霜柱で歩くとザクザク音を立てる
登山道(日が高くなると泥濘にな
る)    

ハマイバ〜大蔵高丸間 冬の様相が
未だ濃い    6:40頃




大蔵高丸のミツバツツジも花芽が吹
き出たばかり       8:30頃  

大蔵高丸山頂        8:35頃  

お花畑南側の扉    9:30頃  

春には未だ遠いお花畑         9:35頃




お花畑から大蔵高丸の   展
望          9:40頃      

お花畑から白谷丸の     展
望           9:40頃  

お花畑北側の扉                  9:
45頃            

扉に貼られた説明書き          9:45




唯一見付けたタチツボスミレ 湯ノ沢
峠付近   9:50頃  

同場所に4輪咲いていたタチツボスミ
レ   9:50頃

湯ノ沢峠             9:50頃      

湯ノ沢峠駐車場        9:55頃






                                    使用カメラ: OLYMPUS E-P2    FINEPIX F-300 EXR








5月23日 雁ヶ腹摺山・姥子山


  雁ヶ腹摺山は昨年12月に訪れて以来5ヶ月ぶりである。昨年、雁ヶ腹摺山へは6回訪れ十二景の山では最多であるが、姥子山へは雁ヶ腹摺山とセットになることが多く1回少ない。 今回は日の出時間帯に雁ヶ腹摺山で富士山撮影を行い、その後、姥子山へ向かい撮影を引き続き行うことにしている。  
  午前3時、大峠を出発。風が強く風音が耳に触る。気温は10℃と平年並みと思われるが強風で体感的に寒さを感じる。天空は星空で一杯、今日は天気に恵まれたようで富士山撮影に期待が掛かる。
  山頂へは登山道も良く整備され、夜道でも登山道を外すことはない。40分ほどすると最初の富士山展望地を通過する。未だ暗くて見えづらいが黒いシルエット姿で展望することが出来る。山頂に向かい傾斜の強い斜面を登り切ると山頂までは僅かである。今回も撮影場所は山頂手前の大きな岩の上で行うことにした。
  3時50分、撮影地点に到着。強風で小物は飛ばされるし、三脚の設置にも錘を付けたり撮影準備に時間が掛かる。既に明るくなり始めているが、上空には雲があり早朝から靄の発生で富士山は霞んで見える。上空の雲は形が良く、この雲が朝日に焼けると絵になりそうである。
  日の出時間は4時30分であるが、時間を過ぎても富士山には朝日が入らない。上空の雲が僅かに焼けだしたが、富士山に光が入ったのは20分程過ぎてからである。ところが、靄が立ち込め富士山は膜に被われたように不鮮明である。上空の雲は焼けたものの、この状況では主役の富士山に存在感がなく写真にならない。暫く回復を待ったが、一向に変化はなくここでの撮影を打ち切ることにした。
  5時40分、姥子山に向かう。姥子山は西峰と東峰の双耳峰から成り、東峰が本山である。いずれも岩肌が露出した山で、南側から本峰を望むと双耳峰であることが良く分かる。
  雁ヶ腹摺山から奈良子林道まで一気に下り、西峰を経て姥子山に到着する。姥子山は6時40分に到着。風は収まったが、富士山は益々陰が薄くなり、もはや写真にならない状況である。残念ながら今回は好天に恵まれたにも関わらず、靄の発生で富士山の撮影には恵まれなかった。
  8時00分、姥子山山頂を後にする。姥子山からの下山は雁ヶ腹摺山に登ってから大峠へ下ることになるため、ややハードな登山を強いられる。 姥子山を訪れるコースは他にも金山鉱泉から金山峠を経て姥子山へ、或いは閉鎖された奈良子林道をひたすら歩き姥子山へ、林道の開通が望まれるが、いずれも現在は姥子山を訪れるのは時間が掛かためハードである。車利用の場合、大峠から雁ヶ腹摺山経由が最も短時間で行って帰ることが出来る。他のコースは1時間以上多く時間が掛かるため行程に余裕が必要である。
  雁ヶ腹摺山へは9時50分に到着。富士山は雲に同化し殆ど見ることが出来ず写真撮影を諦める。山頂で暫く休憩し10時40分大峠に向かい下山を始める。大峠には11時40分に到着。駐車場には自分の車以外に5台止められていた。
  今日は雁ヶ腹摺山山頂で1人の登山者と出会い暫く山の話をした。雁ヶ腹摺山からの下山途中では夫婦の登山者に出会った。



今日の富士山


今日は水蒸気が多く、早朝から霞んでクリヤーな富士山は望むことが出来なかった。


雁ヶ腹摺山より(日の出時間)早朝より      靄が発生
      4:30頃撮影





姥子山より 時間と共に抜けは更に悪くなる  7:25頃撮影









登山道と花の開花状況


 ツバツツジはこれから開花を迎えるが、全般に花芽が少なく、その花芽も半分程枯れている状態のものも見られた。温度差の大きかった影響なのか、まともに開花するかどうか不明である。
 花は登山道全般にスミレやイチゴの花などが多く見られる。姥子山の山頂直下の岩場にはピンク色の花を咲かせたイワカガミの群生が見られたのはラッキーだった。


※以下写真は雁ヶ腹摺山富士山撮影地点〜姥子山〜雁ヶ腹摺山〜大峠の順番に時間を追って並べてある


ムシカリ(虫狩)スイカズラ科 雁ヶ腹
摺山山頂付近 5:30頃  

山頂付近の巨大な自然石 神奈備
石     5:40頃

お花畑北側の扉                  9:
45頃            

扉に貼られた説明書き          9:45




お花畑から大蔵高丸の   展
望          9:40頃      

お花畑から白谷丸の     展
望           9:40頃  

お花畑北側の扉                  9:
45頃            

扉に貼られた説明書き          9:45




お花畑から大蔵高丸の   展
望          9:40頃      

お花畑から白谷丸の     展
望           9:40頃  

お花畑北側の扉                  9:
45頃            

扉に貼られた説明書き          9:45




お花畑から大蔵高丸の   展
望          9:40頃      

お花畑から白谷丸の     展
望           9:40頃  

お花畑北側の扉                  9:
45頃            

扉に貼られた説明書き          9:45




お花畑から大蔵高丸の   展
望          9:40頃      

お花畑から白谷丸の     展
望           9:40頃  

お花畑北側の扉                  9:
45頃            

扉に貼られた説明書き          9:45




お花畑から大蔵高丸の   展
望          9:40頃      

お花畑から白谷丸の     展
望           9:40頃  

お花畑北側の扉                  9:
45頃            

扉に貼られた説明書き          9:45




お花畑から大蔵高丸の   展
望          9:40頃    





扉に貼られた説明書き          9:45










行程:大峠(午前3:00発)→雁ヶ腹摺山撮影地点(3:50着〜5:40発)→奈良子林道取付(6:20)→

                           姥子山(6:40着〜8:00発)→奈良子林道取付(8:25)→雁ヶ腹摺山(9:50着〜10:40発)→大峠(11:40着)

 

                         ※コースタイムは途中、花の写真撮影時間も含まれるため区間によっては2割ほど多めである。





                                                                                   使用カメラ: OLYMPUSE-P2    FINEPIX F300EXR