2014年 撮影紀行(NO5)
6月26日 牛奥ノ雁ヶ腹摺山・小金沢山
昨年12月に訪れて以来半年振りとなるが、この時は余りの雪の多さに1時間ほど登ったところで登山道が確認できず断念した。それから季節は180度回り梅雨の最中、僅かな晴れ間を狙って当地を訪れることにした。 今回も日川林道の登山口に車を置き、牛奥ノ雁ヶ腹摺山〜小金沢山を往復する予定を立てた。最初の予定では小金沢山で日ノ出を迎えようとしたが、登山口到着が車のせいで30程遅れた。昨年秋に軽自動車に乗り換え、高速、山道スピードが出せないし出ない。以前の車では自宅から1時間45分で到着したが2時間10分掛かった。その分早く出発すれば済む話であるが、所要時間のみが頭の中にあったことで車の性能はインプットされていなかった。(雪道ではその限りでない)
日川林道の登山口には2時10分に到着。風は殆どないが肌寒く感じる。天空には星が望めるが余り鮮明ではない。空気に水蒸気が多く含まれているためと考えられる。
2時30分登山口を出発。今日の日ノ出は4時20分頃、夏至が終ったばかり、日ノ出30分前には既に周辺が確認できるほどの明るさがある。
最近登山口に案内標柱が設置され、牛奥ノ雁ヶ腹摺山まで70分と表示されている。自分の足を基準にすると厳しい数値である。一般にどこの案内標柱を見ても余裕を持って表示されていることが多く、出来れば距離も併記してあれば自分で所要時間が判断できる。
途中、尾根のピーク点で富士山が確認できた。天気は良さそうであるが、薄暗い中でも靄が掛かっていて富士山は不鮮明に映りだされている状況である。時間の経過とともにクリヤーな姿が見られることを願い山頂に向かう。これより倒木の多いサグ点を通過し最後の登りを経て山頂に到着する。3時50分、山頂到着。所要時間1時間20分である。途中迷うことなく山頂を踏むことが出来たためロスタイムはない。このコースが昭文社の山と高原地図に載って3年。登山者が増えたことにより登山道が整備されたお陰である。
富士山は少しずつ鮮明さを取り戻してきたようであるが、写真には未だ不足である。甲府盆地の雲海が東に連なっていて富士山を引き立たせている。殆ど風はなく時折東方向から上昇気流に乗ってガスがやって来る程度である。1時間少々山頂で撮影をしたが、富士山の抜けは改善されず、ここでの撮影を打ち切ることにし、小金沢山へ移動することにした。5時10分、牛奥ノ雁ヶ腹摺山を後に小金沢山に向かう。
小金沢山へは5時50分に到着。山頂およびその周辺ののサラサドウダンの木には花が咲き溢れ、山頂は明るい雰囲気に包まれている。富士山の抜けは少し良くなってきたようであるが、彩のないこの時期特有の状況は否めない。撮影場所は山頂から東に100mほど下った大きな岩の上である。ここにもサラサドウダンの木があり最盛期を迎えている。この木を前面に配し富士山を撮影した。
7時半頃から富士山に雲がかかり始め見る見るうちに半分ほど覆い尽くしてしまった。既に撮影の潮時は過ぎ、8時15分、下山を始める。牛奥の雁ヶ腹摺山を9時05分に通過したが富士山は完全に姿が隠れてしまっていた。これから天候が悪くなる前兆のようで雲が多く発生し時折ガスが立ち込め視界も悪くなってきた。
登山口には10時10分に戻り、今日の撮影は終った。不鮮明な富士山は撮影者泣かせであるが、フィルムにどの程度写っているか楽しみである。とはいえ、富士山が見られただけでもラッキーである。
今日は登山者やカメラマンと出会うことはなかった。新緑に満ちた静かな山の一人歩きも良いものである。
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牛奥より:日ノ出時間、山頂の雲が焼 けだした(4:20頃) |
牛奥より:日ノ出の20分後前景の山に 朝日が入り始めた (4:40頃) |
小金沢より:サラサドウダンと富士山 (7:00頃) |
小金沢より:新緑と富士山 雲が掛か り出した(7:30頃) |
この一帯は花が少なく、現在はサラサドウダンが、小金沢山、牛奥雁腹山および西側尾根のピーク〜中腹でも見られ、最盛期を迎えている。登山口で唯一咲いていた白いギンリョウソウはカメラのピントが合わず失敗したため載せていない。
西尾根の登山道は良く整備され道に迷うことは殆どなくなった。牛奥から小金沢に向かう途中に尾根をトラバースし倒木の多い原生林を行くが、道が分りにくいところがある。迷ったら谷側には絶対に下りず、尾根に登るつもりで行けば登山道に出られるので心配はない。
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小金沢山山頂 5:50頃 |
山頂に咲くサラサドウダン 8:10頃 |
笹原の中を行く登山道 (小金沢 〜牛奥間)8:45頃 |
牛奥ノ雁ヶ腹摺山山頂 9:00頃 |
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西尾根ピークに至るサグ点( 倒木が多い) 9:10頃 |
西尾根に咲くサラサドウダン 9: 10頃 |
西尾根のピーク点(南方向に富士山が 良く見える)9:20頃 |
西尾根を少し下ったところの巨大岩 9:25頃 |
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登山口に向かう登山道 (ガスの発生で視界が悪い)9:30頃 | 日川林道登山口(案内標が設置された) 10:00頃 |
8:15発)→牛奥ノ雁ヶ腹摺山(9:05通過)→西尾根登山口(10:00着)
使用カメラ: OLYMPUS E-M1 ・FINEPIX F300EXR
奈良倉山は十二景の山のうち山頂へのアプローチが容易である。松姫峠からのコースは林道コースと共に山道コースも利用できる。特に林道コースは視界が開け素晴らしい山並みの展望が得られる。また、山道コースは山の素晴らしい雰囲気が味わえ、新緑とともに紅葉の素晴らしさは特筆できる。最近、山頂の展望所からの展望も杉の木が伐採され視界が開け富士山の美しい姿が見られる。
奈良倉山は十二景の山では富士山までの距離が最も遠く、その分情報量も多いように思われる。写真撮影ではそのような条件が反映され、四季折々素晴らしい富士山を撮影することが出来る。
今回は梅雨の晴れ間を狙った撮影で、前日が雨の予報により雲海の発生が期待できる。
松姫峠へは自宅から一般道の青梅街道を通り国道139号線を経て松姫峠に至るが、小菅村を過ぎるとカーブの多い山岳道路に入りスピードが出せずやや時間を要す。自宅からの所要時間は1時間50分。車を運転するには丁度良い距離である。しかし、冬季は道路が凍結し安全を確保するために慎重な運転が強いられる。 自宅を午前1時10分に出発。天気予報では日が変わるころには雨は止んでいる筈であるが、自宅を出発する時は小雨が降っていた。途中で止むと思われたが、松姫峠に3時に到着した時も雨は降り続いていた。予報より回復が遅れているようである。
出発準備を整え、3時20分撮影場所に向かい出発。今日は林道の西側で日ノ出時間帯に撮影し、その後山頂に撮影場所を移動する予定である。雨交じりの天気、雲海の発生はあると思われるが、富士山が姿を見せてくれるかどうかが問題である。予測では3時ごろには雨は上がっていると思われていたが、日ノ出時間に富士山が見られなければ、その後の撮影にも期待が持てない。林道の撮影場所には4時に到着したが、既に明るく一面のガスで視界は閉じられている。雨も激しさを増しこれでは撮影どころではない。雨は降り続いているが周辺の山が時折ガスの合間から見え隠れする。確かに雲海は一面に発生しているが富士山の姿はまったく望むことが出来ない。暫く待機し様子を見ることにするが、今のところ回復の兆しはない。
山頂の展望所からは杉の木が伐採され視界が広かったことを聞いていた。今まで山頂展望所からの撮影は視界が狭く制限を受けていたため林道で行っていたが、制限がある程度なくなったため山頂へ移動し撮影することにした。林道を南側まで移動し山頂への急斜面を5分ほど登ると山頂に着く。山頂には5時50分に到着。展望所の視界は広がり標準系のレンズの使用も可能で表現の幅も広がった。
山頂では相変わらず小雨が降り続き、富士山の姿はまったく見られない。時折、雨が強くなったり視界がガスで閉ざされたり落ち着きのない天気である。そんな中、視界が一瞬開いた時、富士山の裾が少しだけ見え始めた。そのうち全容を現すと思われた。確かに雲海は発生しているが雲がバラけた感じで美しさはあまり感じられない。
富士山がやっと形として現れたのは、7時ごろになってからである。この頃には雨も上がり、少し明るくなってきたが、それでも富士山頂の雲は取れず、すっきりした姿は望めない。更に1時間ほど待機したが、視界はまた閉ざされた。そのままの状態が続き回復は望めないと思われた。
時間もだいぶ経過し今日の撮影を終了することにした。9時10分、林道経由で下山を始めた。松姫峠には10時10分に到着。駐車場には自分の車のみ止められていた。
今回は雲海が出たものの気圧の変化が激しく、荒れ模様の天候が続き、思うように富士山の姿を捉えることが出来なかった。
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雲海とはいえ千切れ雲といった感じである 7:45頃 | 視界が開けた瞬間 8:15頃 |
林道際には夏の花が咲き始めている。今回、奈良倉山ではビロードイチゴの花を初めて見掛けた。夏を象徴するトリアシショウマ、ヤマオダマキ、フタリシズカなど生き生きとした花の姿が見られた。
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奈良倉山山頂 8:00頃 |
山頂南側の富士山展所 9:10頃 |
ビロードイチゴ(バラ科) 9:20頃 |
ウツギ(アジサイ科) 9:20頃 |
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トリアシショウマ(ユキノシタ科) 9:25頃 |
杉の木にロープが巻かれている(熊除け?) 9:25頃 |
ヤマオダマキ (キンポウゲ科) 9:35頃 |
マムシグサ(サトイモ科) 9:45頃 |
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フタリシズカ (センリョウ科)9:45頃 |
水溜りの林道 9:45頃 |
コアジサイ(ユキノシタ科) 9:50頃 |
松姫峠の国道139号 10:10頃 |
使用カメラ: OLYMPUS E-M1 ・FINEPIX F300EXR