2014年 撮影紀行(NO4)



6月4日 雁ヶ腹摺山

  ハマイバに引き続きミツバツツジと富士山狙いで雁ヶ腹摺山を訪れることにした。前の晩、甲斐大和の道の駅で車中泊し、そこから大峠に向かい出発した。大峠に着いたのは午前2時30分。途中、大峠に向かう林道で私の車を追い越していった車がある。ホンダのスポーツカーである。カメラマンが乗るような車ではないし、何しに大峠に向かうのだろう?到着すれば何か解るだろうと思い、ゆっくり同じペースで大峠に向かった。
 途中、やや右にカーブしたところで、小さい落石が道路の中央と右に2つ転がっているのが見えた。更にスピードを落とし、近づくと中央のものは落石でなく生まれたばかりの小さな子鹿だった。座っていたが、クラクションを鳴らしても退こうとしない。何とか脇をすり抜けたが親から別れ離れになったのだろうとかと少し心配になったが、怪我をしている様子は窺えない。先行の車は飛ばしていたので大丈夫だったのだろうかと心配したが子鹿にぶつかってはいないと思われた。
 大峠には私の車を追い越した車が駐車されていた。赤いスポーツカーである。湘南ナンバーであったが、主はもう居ない。やはり、カメラマンだったのだろうか?山頂に向かったと思われるのでいずれ分かることだと思い出発の準備を始めた。3時に山頂に向って出発。気温は低めで涼しい。ガスが充満しているようで視界が余り良くない。
 今日は山頂の少し手前の大きな岩の上で日の出時間帯に朝焼け富士を狙い、光が花に廻ったころ山頂付近のミツバツツジを手前に配し、富士山を撮影する予定である。
  大峠からの登山道は整備されていて、暗くても道に迷う心配はない。今日は気温が低いせいか歩いていても汗が殆ど出てこない。途中、富士山が展望できるところで姿を確認するため目を凝らして展望したがはっきりしない。風は殆どなくもう少し明るくなれば確認できるが、今日の天気は余り良くなさそうであまり期待は出来なそうである。
 撮影場所である大きな岩に近づいてきたが、なにやら人の気配がする。近づくと先客が三脚を2台セットしスタンバイ状態で撮影体制に入っている。岩の上の左側横に多少のスペースがあったので、そこで一緒に撮影させて頂くことでお願いした。快く受けてくれたのでホッとした気持ちである。やはり私の車を追い越して行った主だった。未だ若い人で撮影を終えて会社に出勤すると言うことであった。若いって良いなと思った。自分も通過してきた道である。
  薄いながらもガスが立ち込めていて視界は良くない。富士山の姿も確認できない。日の出時間(4:25
頃)に近づくと朧げながら富士山頂が見え出したが、写真にならないほど不鮮明な状態である。暫くそのような状態が続き、ガスは濃くなるばかり。先客は会社に行くのでと帰り支度を始めた。折角遠くから来たのに残念ですと労うと、こんなものですよと言って5時半に下山して行った。
 暫く待機することにし、その時間に山頂付近のミツバツツジの状態を見て回った。個体差もあるが全般に最盛期を迎えている。富士山に絡むミツバツツジを特定し、三脚をセットしスタンバイしていたが一向に天候回復の兆しはなく、今日は断念することにした。
 9時に下山を始める。途中の中腹でもミツバツツジは満開だった。大峠には10時少し前に到着。自分の車を含め車4台が止められていた。途中、4人の登山者と出会った。


今日の富士山




僅かに山頂が見える              午前5:00頃  













登山道と花の開花状況


 山頂および山頂付近は山ツツジが見ごろを迎えている。全般に花は少なめであるが、登山道際にはチゴユリが多く見られる。また、登山道の周辺は眩しいほど新緑で、山を歩くには絶好の季節である。

 山頂で展開されるツツジと富士山は大変素晴らしい情景が得られる。




   山頂の様子                


山頂の木に付けられた       熊除け
の縄



山頂付近の自然石(神奈備石)  








ニガイチゴ(バラ科)


 イチゴ(バラ科)          

山頂付近に設置された      姥子山
への  分岐標

 
 
 
 
 
 
 
 



山頂付近(大きな岩の横)の     トウ
ゴクミツバツツジ            

   

山頂付近の              トウゴ
クミツバツツジ          

 

 山頂付近のトウゴクミツバツツジ (つぼ
みが多い)                   



 


ヒメヘビイチゴ(バラ科)


中腹のトウゴクミツバツツジ    

 

大峠の駐車場 (自分の車を含め4台駐
車)  10:30頃






                                                                    使用カメラ: ・OLYMPUS E-M1  ・FINEPIX F300EXR







6月12日 ハマイバ


 鬱陶しい梅雨の合間に晴れの予報が出されていた。この日は雲海が出ると予測された西川氏にハマイバへ同行させて頂くことになった。
 午前4時にハマイバで待ち合わせと言うことでお願いした。湯ノ沢峠駐車場には2時10分に到着。西川氏の車は確認できたが姿はどこにも見あたらないため既に出発したようだ。後を追わねばと早速出発の準備を始める。2時35分駐車場を後にハマイバへ向かう。
 湯ノ沢峠の天空は満天の星空、西の空には満月が煌々と輝いている。風が強く、気温が10℃を下回っていると思われ、肌寒さを感じる。今日の天気は予報通り良さそうであるが、強風で雲海が出たとしても風で飛ばされる可能性があり、果たして雲海と富士山をカメラに収めることが出来るのだろうかと期待感が少し薄れる。
 大蔵高丸を3時10分に通過する。満月に照らされ雲海がはっきり見える。その奧には富士山が鮮明な姿で聳え立つ。西川氏の予測が当たったようだ。但し懸念されるのは強い風によって雲海が流されてしまうことである。早くハマイバに到着せねばと足早になる。
 ハマイバ山頂から少し南に下った視界の良い場所に3時40分に到着。西川氏の姿は何処にもない。恐らく湯ノ沢峠を30分程先に出発しているため到着している筈である。待ち合わせ場所のポイントを絞っていなかったため、少し不安な気持ちになったが、暫くするとヘッドランプの灯りが見え西川氏から声が掛かった。撮影場所の下見に行っていたそうである。
 雲海と富士山、まさにこれぞと云う光景に出会った。早速、撮影場所に移動し、撮影準備に入る。既に周辺は明るみを帯び全体の様子が確認できる状況になってきた。
 西からの風に煽られ次から次へと流れる雲海は大谷ヶ丸を乗り越えそして急下降するそのスピードある流動感は豪快な滝の流れのようである。
 今日は空気が冷たく澄んでいるいせいか富士山は何時になく鮮明である。流れる雲海と富士山、最高の場面が繰り返される。陽が高くなるに連れ雲海は薄れてきたが、朝陽が新緑に光を与え目映い程の光景に移り変わる。一頻りこの場での撮影を終え、更なる新緑を求め撮影場所を移動する。
 富士山は時間の経過をものともせず、雲が増えたものの鮮明な姿は健在。下山を忘れる程撮影を続け、気が付いた時は既に10時半を回っていた。湯ノ沢峠の駐車場に戻ったのは正午を少し過ぎていた。 
 こんなに長く撮影を続けたのは暫くぶりである。下山途中15人ぐらいの登山者グループと出会った。


今日の富士山




風に煽られ大谷ヶ丸を乗り越え
る流れ雲    4:00頃
 

朝陽に色づく    4:40頃



雲海そろそろ消えゆく      
     5:45頃


 新緑輝く     9:30頃





山野の花の開花状況


  湯ノ沢お花畑〜大蔵高丸〜ハマイバの登山道脇全般に咲く花は、白い色のシロバナヘビイチゴ、黄色のヘビイチゴ、紫色のフデリンドウ、黄色のキンポウゲ(ウマノアシガタ)など花盛りを迎えている。特に湯ノ沢お花畑に咲始めた未だ子供のスズランは葉の陰に隠れ恥ずかしそうに顔を覗かせている。この健気な姿には心打たれる。 













チゴユリ(ユリ科) キンポウゲ(キンポウゲ科) シロバナヘビイチゴ     (バラ
科)



ヘビイチゴ(バラ科)









スズラン(ユリ科)
同左

      
                             
                            使用カメラ :OLYMPUS E--M1  FINEPIX F-300EXR