2014年 撮影紀行(NO3)



5月14日 高川山

 高川山は昨年も5月にも訪れているが今回の5月はここ10年の間2回目となる。この時期は山ツツジが見頃を迎えていると思われるが、富士山がどのような姿を見せてくれるか楽しみである。
 今回は山頂まで男坂コースを上り、女坂コースを下山する予定である。午前2時05分、初狩側登山口の駐車場に到着。
 今日の日の出時間は4時36分頃。日の出時間の30分前には山頂に到着しておきたい。そのような予定で登山口を2時25分に出発する。やや風がありサラサラと木々の間を通り抜ける風音が聞こえる。今日は日中の気温が夏日を超える予報が出されているが、この時間、風が体に当たると肌寒さを感じる。西の空には傾きかけた小望月(満月の前日)が煌々と輝きを見せている。今日は天気は良さそうである。
  少し登り始めると冬とは違い直ぐに汗ばんでくる。湿気も多い気がする。最近、男坂を登るのは少しキツイ感じがする。最近軽いザックに変え荷物を整理し20kgあった荷物を機材は減らさず2kg減らしたが、軽くなった感じは殆どない。カメラ3台、中判レンズ2本、三脚2本、食料2食分、水、ヘッドランプ2機、予備電池、その他、更に軽くするにはカメラ1台と三脚1本減らすと2.5kgは稼ぐことは可能であるが、機材を減らさず暫くこの重さで続けるつもりである。
  山頂に3時45分に到着。南西には影が薄いながら富士山の姿が確認できる。冷たい風が体の中を通り抜け、掻いた汗が冷され寒さを感じる。長袖シャツにチョッキ姿では厳しく、1枚重ね着をし寒さを凌ぐ。西に傾いていた小望月は三つ峠山頂付近に沈み込もうとしている。沈むと辺りは急に暗くなる。暫くすると辺りは明るさを増し、富士山も良く見えるようになってきた。しかし、富士山は朝靄の発生でハッキリしない空模様に同化し存在感を失っている。
  今日は雲が多く、東の空の雲は日ノ出を遮り、その時間を過ぎても富士山に朝日が入ることはなかった。不鮮明な富士山。写真にするとなおさら存在感が乏しく写る。山頂には山ツツジの木が多く存在し見頃を迎えているが、今日の富士山は役不足である。
  8時40分、これ以上の変化は期待できず下山を始める。途中、10名ぐらいの団体と3人組の登山者2組と出会った。10時20分登山口に到着。



今日の富士山




靄に覆われ富士山の存在感が乏しい        7:45頃撮影  













登山道と花の開花状況


 山頂および山頂付近は山ツツジが見ごろを迎えている。全般に花は少なめであるが、登山道際にはチゴユリが多く見られる。また、登山道の周辺は眩しいほど新緑で、山を歩くには絶好の季節である。

 山頂で展開されるツツジと富士山は大変素晴らしい情景が得られる。


日ノ出                5:00頃撮影      
アオダモ(モクセイ科 )
山頂に咲くヤマツツジ(ツツジ科)              






コナシ・ズミ(バラ科)
山頂の様子              8:50頃撮影      
   山頂直下のツツジ咲く登山道








エゴノキ(エゴノキ科)                
     チゴユリ(ユリ科)    
ミツバツチグリ(バラ科)                  







 オトコヨウゾメ(スイカズラ科)  
   キランソウ(シソ科)    
               クサイチゴ(バラ科)




    





    ウマノアシガタ(キンポウゲ科)








 


                     

    行程:初狩側登山口(午前2:25発)→男坂女坂分岐(2:50)男坂経由→合流(3:50)

            →山頂(3:45着〜8:40発)→ 女坂経由→男坂女坂分岐(2:50)→初狩側登山口(10:20着)




                                                                    使用カメラ: ・OLYMPUS E-M1  ・FINEPIX F300EXR






6月2日 大蔵高丸・ハマイバ


 富士山とミツバツツジを追い求め、今回は大蔵高丸・ハマイバを訪れることにした。ハマイバの大株のミツバツツジの最盛期は例年だと6月10日前後であり、既に咲いているという情報があり早速、出向くことにした。

  湯ノ沢峠の駐車場には午前3時に到着。既に多くの車が止められ、止める場所を探す結果に。テントも一張り張られている。皆さんミツバツツジ狙いなのだろうかと、混雑を考えると乗り気が薄れるが、早速準備を始める。まだ、車の中で皆さん休んでいるようである。光が入らないと花は撮れないからだと思われる。準備をしていると1人が車から出てヘッドランプを点けて出発して行った。

  今日は大蔵高丸で朝焼け富士を狙い、その後ハマイバのツツジと富士山を撮る予定である。3時30分湯ノ沢峠を出発する。やや湿気が多く霞んでいるせいか、天空の星はハッキリ見えないが天気は良さそうである。気温は15℃前後と思われるが、少し歩いただけで湿気が多いため汗がにじみ出てくる。

 4時、大蔵高丸に到着。辺りは既に明るさを増し、富士山は黒い影となって、やや不鮮明に見えている。上空に雲は確認できないが、富士山頂付近に僅かながらの雲が確認できる。この時期の日の出時間は4時25分ごろで1年中で最も早い時間である。

  富士山頂上に棚引く雲に色が付き始めた、湿気を帯びた空気にこの時期特有の赤黒い色に染まりだした。日の出時間を過ぎると富士山頂にも僅かに日が差し、雲の色と同化し富士山はやや暗い感じの姿に見えた。

  1時間ほどで撮影を切り上げハマイバに移動することにした。撮影中大蔵高丸を誰も通過する人は居なかったため、ハマイバには誰も居ないか、先に出発した人が居るぐらいだと思われる。

  5時20分ハマイバのミツバツツジのところに到着。花は満開を迎えていた。富士山の抜けも朝早くより良くなってきている。これで、花に光が当たれば最高のコンディションになると思われた。やはり先客は1人だった。その人の横に三脚をセットさせてもらい、花に光が廻るまで暫く時間があるため暫く世間話をさせていただいた。広島から来られた方で、ハマイバは初めてということだった。遠くから折角来られたので、ミツバツツジを撮った後で、新緑の素晴らしい撮影場所を案内することにした。

  ミツバツツジの先端に朝日が入り始めたのは6時40分ごろ。徐々に陽が差し込み7時05分、すべての花に光は行き渡った。ミツバツツジのピンク色と新緑の若緑は一体となってお互いの色を引き立たせている。

  暫しミツバツツジを撮影し、7時40分、撮影場所をハマイバ山頂から北へ10分ほど向かった視界の開けた場所に移動する。この時期新緑が一望できるところで、富士山の眺めも素晴らしい最高の場所である。目に眩しい新緑を前景に富士山を配し存分撮影した。

今回の撮影を打ち切り、8時30分この場から湯ノ沢峠に向かい下山を始める。湯ノ沢峠には9時半

に戻る。駐車場の車は7台程に減っていた。

  今日は運よくミツバツツジと素晴らしい富士山に出会えた。以前から狙っていたが条件が叶わないことが多かった。花と富士山撮影は期間が限られ、当たる確率は低く、撮影した写真の出来不出来は別として、目標が達成できたという満足感が得られた。



今日の富士山




朝焼ける富士山(大蔵高丸より )4:25頃    
朝焼ける富士山(大蔵高丸より )4:35頃
 








トウゴクミツバツツジと富士山(ハマイバ山頂南より)
7:05頃

トウゴクミツバツツジと富士山(ハマイバ山頂南より)7:30頃










    新緑と富士山(ハマイバ山頂北より)7:05
頃        

     新緑と富士山(ハマイバ山頂北より)7:30
頃          











                                                               使用カメラ:OLYMPUS E-M1