2014年 撮影紀行(NO.2)
4月1日 奈良倉山
4月に奈良倉山を訪れるのは初めてである。今年は2月に大雪が2度ほど降り平地でも1mを超える降雪があった。その結果、交通麻痺により生活にも多大な影響を与えた。山梨県内では積雪により暫くの間、国道や県道が閉鎖されていたが、現在は殆ど解除され、国道139号線も3月25日に県内では最も遅く解除に至った。松姫峠へのアプローチが可能になったことでやっと富士山が撮影できると気持ちが先走り、早速、奈良倉山を訪れることにした。
今回もいつもと同様に自宅から奥多摩経由で小菅村を通り松姫峠に入った。国道139号線は元に戻り何の障害もなく順調に走行することができた。
松姫峠には午前3時に到着。風もなく満天の星空が望める。天気は良好のようであるが、未だ暗いため富士山の姿は確認できない。待ちに待った富士山撮影。どの様な姿を見せてくれるだろうかと期待に胸が膨らむ。
3時30分、撮影地点(林道南西)に向かい出発する。林道には所々に雪はあるものの歩行には影響しない。30分程歩き4時に撮影地点に到着する。この場所は林道の南西に位置し、林道延長線上で最も視界の開けた場所である。気温は3℃と風がないため寒さは感じない。星空の下にシルエット風になって黒い姿の富士山が確認できる。やや湿気帯びた空気が漂い視界を妨げているような感じがする。日の出時間は5時半頃。東の空はうっすら色を帯びている。
やや明るくなると沢山の雪を被った富士山がはっきり確認できる。やはり今朝の富士山は霞が掛かったようで鮮明さに欠ける。日の出時間になると山頂に朝日が差したが、色は付かず期待が外れた。時間が経過すると面白い雲も現れたが絵になるほどではない。気温が徐々に下がり、6時の気温が零度となり真冬並の寒さとなった。気温が下がったことで、霞が取れ抜けが良くなると思われたがそれには至らなかった。
これ以上の変化は期待できないと判断し、撮影を打ち切りることにした。下山は山頂経由で山道を松姫峠に戻ることにした。山頂には多少雪が残るものの直ぐに融けてなくなる程度の雪であるが、松姫峠への登山道(山道)は北側に面し多くの残雪があり歩行に難儀した。
今日の富士山
林道からの富士山 5:40頃 | 同左 6:40頃 | |||||
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山頂および登山道の状況
奈良倉山は未だ新芽や新緑は見られず冬そのものである。国道139号線が閉鎖解除されたものの登山者の入った形跡は見られず、僅かな残雪のある山頂は静かな佇まいを見せている。
山頂より松姫峠に下る北に面した登山道には未だ10cm〜30cmの残雪が見られる。雪面は凍結し斜面に切られた登山道は片側が谷となり滑落防止のためアイゼンを装着した方が安全である。また、登山道の肩の部分は雪がないものの、日が高くなると雪解けの水を含み滑り易く、また崩れやすいため肩の部分を歩くのは危険である。
この時期の雪は表面の凍結は薄く、体重が掛かると表面を破って足がズボッと潜り、バランスを崩して転倒する可能性があるため注意が必要である。
撮影場所付近の林道 7:20頃 | 林道から山頂への入口(林道南側) 7:25頃 | 山頂(僅かに雪がある) 7:30頃 | ||||
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山頂展望所より 7:35頃 | 松姫峠と鶴峠への分岐点 7:55頃 | 北に面した登山道 9:30頃 | ||||
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北に面した登山道 9:35頃 | 松姫峠駐車場 9:55頃 | |||||
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行程:
松姫峠(3:30発)→撮影場所(4:00着〜7:20発)→山頂(7:30着〜7:40発)→松姫峠(10:00着)
(林道経由) (登山道経由)
使用カメラ: ・OLYMPUS E-P2 ・FINEPIX F300EXR
4月10日 岩殿山・お伊勢山
今日は岩殿山山頂から朝焼けの富士山を狙い、桜に朝日が廻った頃、中腹から桜と富士山の撮影を行い、その後お伊勢山へ移動し撮影を続ける予定である。
岩殿山の駐車場に到着したのは午前4時、今日の日の出は5時20分頃、山頂には5時頃には着いて置きたいと思い、自宅を午前2時20分に出発した。
丸山公園を4時30分に通過。ふれあいの館を過ぎ、階段を登り始めると、近くの藪の中からガサガサと大きな音を立て姿は見えずともこちらの方に動物が向かってくる気配である。今日は熊よけの鈴は付けていない。熊かイノシシか大きな動物のようである。一瞬襲ってくるのかと思い大きな声を張り上げるとその動物は去って行った。岩殿山にも以前熊が出没したと言う話を聞いたことがある。やはり鈴は付けておくべきだったと思う。
暫く登ると下の方にヘッドランプの灯りが見える。誰か後から登ってくるようだ。この時間、カメラマン以外に考えられない。
山頂にはちょうど5時に到着。空は既に明るく、眼下に街が一望できる。今日は夜明け前の時間から靄に覆われ全体にピンボケ状態の光景が目に入る。富士山もどことなく眠そうである。数分すると後ろを歩いていた1人の男性が登ってきた。やはりカメラマンだった。桜と富士山を撮影に訪れたそうで、岩殿山を訪れるのは初めてだという。
日の出時間が訪れ、東の空から大きな太陽が昇り始めた。今日の幕開け、感動の一瞬だったが、益々濃くなる靄のため富士山には朝日が届かない。これでは写真にならず暫く様子を見ることにする。少し時間が経過すると多少抜けが良くなってきた感じはするが撮影意欲が涌く程ではない。山頂東側の数ある桜は全て満開状態で見頃を迎えているが、富士山をレイアウトして撮影することは難しい。山頂の桜も見頃であるが、花数が少なく富士山をレイアウトしても貧弱となり、バランスが悪い。
山頂で暫く様子を見たが、これと言った変化はなく山頂からの撮影は打ち切り、桜のある中腹に移動することにした。下る途中に大きな満開の桜を見つけた。沢山の花を付けた豪華な桜の木であるが樹齢も高そうである。やや足場は悪いが構図は取り易そうなので、この場所で撮影することにした。山頂で出会った人とも場所を入れ替え、一緒に撮影することにした。富士山は相変わらず抜けが悪く、影が薄い。桜に負けそうであるが、春を象徴した柔和な感じの富士山も悪くはない。
丸山公園まで下山したが、ここの桜も満開で、少しずつ散り始めている。それにしても、どうしたことか今日はカメラマンの姿が少ない。週末に集中したのだろうか?それとも他の地で撮影しているのだろうか?少し気になることである。
山頂で出会った男性は、岩殿山は今回初めてと言うことで、ついでにお伊勢山を紹介し、案内することにした。お伊勢山も白旗史朗の顕彰碑のある公園や墓のところの桜は満開で見頃を迎えている。昨年、大月では桜の芽が鳥についばまれ桜が殆ど咲かなかった。今年はその分花数を多く付けているようで豪華さを感じる。
今日の富士山
岩殿山中腹より 7:25頃 | 同左 7:35頃 | 丸山公園より 8:40頃 | ||||
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同左 8:45頃 | お伊勢山より 10:25頃 | |||||
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岩殿山に咲く花
岩殿山山頂 6:00頃 |
山頂東側の桜(ほぼ満開) 6:10頃 | 山頂から丸山公園の桜 5:50頃 | ||||
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カタクリの花(山頂) 6:25頃 |
ミツバツツジ(山頂北側) 6:30頃 |
タチツボスミレ(丸山公園〜登山口間) 9:45頃 |
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使用カメラ:OLYMPUS EP-2 FINEPIX E300EXR