2016年 撮影紀行(その3)
4月16日 百蔵山
九鬼山池ノ山コース中腹で夜景を撮影し、その後、百蔵山西コース登山口へ向かい駐車場で車中泊した。未明から風もなく天空は満天の星空。今日は気温が下がり予報では湿度も高く雲海発生予測をしたが、登山口では気温が高いうえ湿気は感じられず、星空を見ると雲海発生には結びつかないような気がしたが、結果は山頂に立たないと分からないと気持ちを入れ直した。
午前3時30分、山頂に向かいに出発。気温は10℃を超えて暖かい。百蔵山山頂までは登山口から標高差410mで西コースは全般に緩やかな傾斜の登山道であり、十二景の山では登りやすい山である。それ程汗も掻かず中腹の展望地に到着。富士山の姿は確認出来ない。予報の湿度は100%であったが、それ程高い湿度は感じられず、水分不足で霧にはならず靄が立ちこめている状況と思われる。気温が予報より高いことも影響していると思われる。
山頂到着は4時40分。相変わらず靄が立ちこめ街灯りもぼやけた感じに見える。辺りは明るさを増しているが、富士山の姿は輪郭が見える程度で確認しづらい。
日の出時間は5時07分(東京)。東に昇るオレンジ色の太陽が顔を見せているが、霞んだ富士山には光が届かず撮影しても写らない状況である。
日の出を過ぎても霞んだ富士山に変化はなく、これ以上撮影を続けても無意味に思われ、8時10分下山を始める。登山口には9時10分に戻る。
今日は土曜日と云うこともあって。山頂で出会った愛知県から訪れたという男女5人グループはこれから扇山に行くと云っていた。元気な人達だった。下山時にも都合15人位の登山者と出会った。
今日の富士山
今日は春霞により鮮明な富士山を望むことが出来なかった。
日の出時間を過ぎても光りは届かず
不鮮明な富士山となった 5:35頃 |
山頂の桜を前に 7:20頃 |
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山頂および花の開花状況
山頂で待機している間に花を撮影。昨年ヒトリシズカが群生していたところには今年は影も形もない。楽しみにしていたが気候の影響か寂しい気がする。登山道際のも見られるが、今年は花が少ない感じがする。
山頂に咲く花
マムシグサ(サトイモ科) |
タチツボスミレ(スミレ科) |
モミジイチゴの花(バラ科) |
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タチツボスミレ(スミレ科) | 山頂の桜(種類は不明) |
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以下、下山時に時間を追って撮影
山頂(影が薄く富士山が
見える) 8:10頃 |
東西に細長い山頂 8:10頃 |
満開の山桜 8:10頃 |
山桜 8:15頃 |
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葛野部落と登山口への
分岐点 8:25頃 |
満開のミツバツツジ
(展望所近く)8:35頃 |
中腹の富士山展望所
8:35頃 |
イカリソウ(メギ科) |
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ヤマブキ(バラ科) 8:45頃 |
モミジイチゴの花(バラ科)
8:45頃 |
タチツボスミレ(スミレ科)
8:45頃 |
登山口近くの案内板 9:05頃 |
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山口の駐車場(自車のみ)
9:10頃 |
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使用カメラ(デジタル):・OLYMPUS E-M1 ・FINEPIX F1000EXR
4月15日 九鬼山
九鬼山へ登るコースの一つとして田野倉側を登山口とする池ノ山コースがある。南北に延びる尾根コースとなるが中腹に富士山と街が展望出来る視界の開けた場所がある。今回はそのポイントから夜景を撮ることにした。 登山口には16時に到着。今日は朝から富士山の抜けが良く、夜間撮影でもしっかり存在感を示してくれると思われる。撮影ポイントまで30分程で到着するが最初の登りはつづら折りでややきつい登りである。 17時に撮影ポイントに到着したが、未だ日は沈んでいない。日没は18時14分、暫く時間がある。抜けの良かった富士山も徐々に霞が掛かり不鮮明になってきた。北東からの風が強く気温が下がってきたようだ。日中暖かだっただけに一層肌寒さを感じる。日没を迎え辺りは急に薄暗くなり、街灯りが鮮明に眼に飛び込んでくる。天空には半月を超えた月が輝き、辺りを明るくしている。
19時00分を過ぎてやっと撮影出来る状況となってきたが、富士山は靄に被われ更に不鮮明となってきた。 霞んだ富士山と街灯りの強い光がアンバランスしバルブ撮影は難しい。フィルムカメラでは露光時間の設定は勘に頼らなければならず何枚か設定を変えて撮影する。その点デジタルカメラは時間を追って液晶モニターに映し出されるためその画像を見ながらシャッターを閉じることが出来る。勘に頼らずとも、撮影出来る便利な機能が機能付いている。時間が経つにつれ富士山が霞で殆ど見えなくなった。19時10分以降デジタルカメラで確認しても富士山の姿は殆ど写っていないため撮影を打ち切る。残念ながら夜間撮影に費やした時間は僅かとなった。20時には登山口に到着した。
今日の富士山
夕景(リニヤモーターカー実験線が手前に
見える) 17:40頃 |
完全に暗くなる前(未だ富士山は
見えている) 18:55 頃 |
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登山道と花の開花状況
登山口近くには舗装された道路際に車7台程置ける駐車スペースがある。九鬼山に登る池ノ山コースは途中禾生側からの愛宕神社コースと合流する。撮影ポイントは合流点の半分ほどの距離に位置し、約30分の所要時間である。視界が開け、都留市から富士吉田に掛けての街が見渡せる。その先に富士山が見える景観である。
眼下にはリニアモーターカー実験線が見え、時折、音と共に車両が走り抜ける。音が聞こえた時には車両は過ぎ去った後で見ることは出来ない。撮影ポイントまでの僅かな距離であるが、途中見付けた花も掲載する。
マムシグサ(サトイモ科)
16:50頃 |
やや急傾斜の登山道
(上から撮影) 16:55頃 |
ヤマブキ(バラ科)
16:55頃 |
モミジイチゴの花(バラ科)
16:55頃 |
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クサボケ(バラ科)
16:55頃 |
タチツボスミレ(スミレ科)
17:00頃 |
同左 |
ヒトリシズカ(センリョウ科)
17:10頃 |
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使用カメラ(デジタル) ・OLYMPUS EM1 ・FINEPIX F1000EXR
4月8日 奈良倉山
前回に引き続き奈良倉山を訪れることにした。今月から松姫峠まで冬季閉鎖されていた道路が解除され、小菅村側から車で入れるようになった。閉鎖中、鶴峠から登るのは通常2時間の行程を必要とし、時間的、体力的にも大きく影響していたため、解除されたことによりアプローチが容易になったことは大変有り難い。
今回も前回同様、前日に雨が降り大地に多くの水分が蓄えられた。当日の予報は晴れで気温が高いため雲海発生の確率は低いが、現地に出向いてみないと結果は分からない。
所沢の自宅を1時20分に出発。松姫峠の駐車場に午前3時10分に到着。青梅街道経由で所要時間は1時間50分であった。一般道でこの時間で来ることが出来る奈良倉山は十二景の中では私にとって身近な山であり、年間訪れる回数が最も多い。
天空を望むと満天の星空であるが富士山方面は視界がはっきりせず、富士山の姿は確認出来ない。もともと松姫峠からは富士山の山頂が僅かに見える程度で確認が難しいこともある。風はなく気温は12℃で湿度が高いため生暖かい感じがする。雲海を期待したが、ここからはそれらしきものは視界に入らない。
今日の予定は先ず始めに山頂で撮影を行い、その後林道に下って撮影を続ける予定である。山頂へは林道経由で登り、山頂での撮影と林道での撮影を終えた後、また、山頂に戻り山野草の状況を見ながら登山道を下山する予定である。
3時20分、松姫峠を出発。1ヶ月ぶりの山登りであるが、林道コースは傾斜も緩く比較的楽に歩くことが出来る。昨日は雨が大分降ったようで林道の轍には水たまりがあちこちで見られる。気温は高めであるが、心地よい風が吹き抜け汗を静めてくれる。林道から山頂への登り口は西側と南側の2箇所あるが、時間的にはどちらも殆ど変わらない。南側の登り口は傾斜がきつく、今回は傾斜の緩い西側から登ることにした。
山頂到着は4時10分。東側はやや明るみを帯びているが未だ暗く目を凝らさないと状況が確認出来ない。富士吉田の街灯りは鮮明に見えるが、その上に佇む富士山は霞で見えにくく、イメージが先行し、あたかも見えているような錯覚に陥る。暫く目が慣れてくると錯覚が現実のものとなった。それにしても春霞なのか、抜けが悪くバルブ撮影しても写らない感じである。
大月の桂川沿いに雲海が発生しているのが確認出来る。しかし、富士山方面や甲府方面にはそれらしきものは見当たらない。大月側の雲海が発達し富士山正面まで押し寄せてくることに期待したい。日の出時間は5時18分(東京)。上空の雲が焼け出した。富士山の雪面が焼けることに期待を寄せたがそれには至らなかった。大月側の雲海もボリュームを増しているものの無風状態で富士山正面まで押し寄せてくることは難しそうで期待外れのようである。
撮影場所を林道に移し再び撮影を続ける。富士山の状況に殆ど変化は見られないが、山頂との標高差50mは数字以上に高さの差を感じる。しかし、低く感じる林道の方が圧倒的にワイドな視界が得られる。広角気味のレンズを使い林道ならでの富士山を撮影する。
8時20分、今日の撮影は打ち切り、登山道を下山するため一度山頂に戻る。登山道は林道に比べアップダウンがあり、やや迂回し時間は掛かるが、林道とは異なり素晴らしい山の雰囲気が味わえる。東寄りに敷設された登山道からは奥多摩の三頭山が展望出来るが、東側の谷は霧で被われ、その霧は三頭山の山頂近くまで達している。登山道は1300mの標高があり、春への移行が下界に比べると遅く、僅かに新芽が見られものの花の開花は未だ見られない。もう半月程すればスミレの花などが見られると思われる。
松姫峠には9時50分に到着。林道の撮影現場で2人のカメラマンに出会ったが、その人達の車も立ち去った後で自分の車のみ止められていた。
奈良倉山からは雲海に出会うことは叶わなかったが、百蔵山や岩殿山からは素晴らしい情景に出会えたことと思われた。
今回も前回同様、前日に雨が降り大地に多くの水分が蓄えられた。当日の予報は晴れで気温が高いため雲海発生の確率は低いが、現地に出向いてみないと結果は分からない。
所沢の自宅を1時20分に出発。松姫峠の駐車場に午前3時10分に到着。青梅街道経由で所要時間は1時間50分であった。一般道でこの時間で来ることが出来る奈良倉山は十二景の中では私にとって身近な山であり、年間訪れる回数が最も多い。
天空を望むと満天の星空であるが富士山方面は視界がはっきりせず、富士山の姿は確認出来ない。もともと松姫峠からは富士山の山頂が僅かに見える程度で確認が難しいこともある。風はなく気温は12℃で湿度が高いため生暖かい感じがする。雲海を期待したが、ここからはそれらしきものは視界に入らない。
今日の予定は先ず始めに山頂で撮影を行い、その後林道に下って撮影を続ける予定である。山頂へは林道経由で登り、山頂での撮影と林道での撮影を終えた後、また、山頂に戻り山野草の状況を見ながら登山道を下山する予定である。
3時20分、松姫峠を出発。1ヶ月ぶりの山登りであるが、林道コースは傾斜も緩く比較的楽に歩くことが出来る。昨日は雨が大分降ったようで林道の轍には水たまりがあちこちで見られる。気温は高めであるが、心地よい風が吹き抜け汗を静めてくれる。林道から山頂への登り口は西側と南側の2箇所あるが、時間的にはどちらも殆ど変わらない。南側の登り口は傾斜がきつく、今回は傾斜の緩い西側から登ることにした。
山頂到着は4時10分。東側はやや明るみを帯びているが未だ暗く目を凝らさないと状況が確認出来ない。富士吉田の街灯りは鮮明に見えるが、その上に佇む富士山は霞で見えにくく、イメージが先行し、あたかも見えているような錯覚に陥る。暫く目が慣れてくると錯覚が現実のものとなった。それにしても春霞なのか、抜けが悪くバルブ撮影しても写らない感じである。
大月の桂川沿いに雲海が発生しているのが確認出来る。しかし、富士山方面や甲府方面にはそれらしきものは見当たらない。大月側の雲海が発達し富士山正面まで押し寄せてくることに期待したい。日の出時間は5時18分(東京)。上空の雲が焼け出した。富士山の雪面が焼けることに期待を寄せたがそれには至らなかった。大月側の雲海もボリュームを増しているものの無風状態で富士山正面まで押し寄せてくることは難しそうで期待外れのようである。
撮影場所を林道に移し再び撮影を続ける。富士山の状況に殆ど変化は見られないが、山頂との標高差50mは数字以上に高さの差を感じる。しかし、低く感じる林道の方が圧倒的にワイドな視界が得られる。広角気味のレンズを使い林道ならでの富士山を撮影する。
8時20分、今日の撮影は打ち切り、登山道を下山するため一度山頂に戻る。登山道は林道に比べアップダウンがあり、やや迂回し時間は掛かるが、林道とは異なり素晴らしい山の雰囲気が味わえる。東寄りに敷設された登山道からは奥多摩の三頭山が展望出来るが、東側の谷は霧で被われ、その霧は三頭山の山頂近くまで達している。登山道は1300mの標高があり、春への移行が下界に比べると遅く、僅かに新芽が見られものの花の開花は未だ見られない。もう半月程すればスミレの花などが見られると思われる。
松姫峠には9時50分に到着。林道の撮影現場で2人のカメラマンに出会ったが、その人達の車も立ち去った後で自分の車のみ止められていた。
奈良倉山からは雲海に出会うことは叶わなかったが、百蔵山や岩殿山からは素晴らしい情景に出会えたことと思われた。
今日の富士山
山頂から(日の出前5:05頃)大月側から雲海が攻めてくるが富士山正面まで 届くことはなかった。 |
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山頂から(日の出時間5:20頃) 富士山の
雪面が焼けることはなかった |
視界の広がる林道から(7:40頃) |
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奈良倉山南西側林道からの展望 (8:00頃)

山頂および登山道(山道)の様子
標高1300mは下界と異なり春の訪れは遅く、草木の新芽すら見付けるのが容易でない。スミレなどの山野の花が咲くのも今月半ば過ぎになると思われる。
山頂下の林道(撮影地点)
8:20頃 |
山頂の富士山展望所
(撮影地点) 8:30頃 |
奈良倉山山頂 8:30頃 |
山頂を少し下った
松姫峠への案内標 8:35頃 |
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鶴峠と松姫峠への
分岐点 8:40頃 |
三頭山の山頂付近まで
雲海が上っている 8:45頃 |
唯一咲いていた花
ネコメソウ(ユキノシタ科) |
登山道を横断している倒木
8:55頃 |
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適度なアップダウンがある
登山道 9:00頃 |
登山道を塞いでいる
倒木が多い 9:40頃 |
松姫峠(大月側へは
通行止めとなっている 9:50頃 |
松姫峠の駐車場 9:50頃 |
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使用カメラ: ・OLYMPUS E-M1 ・FINEPIX F1000EXR
3月8日 奈良倉山
春になると、冬を支配していたシベリア気団が弱まり、低気圧と高気圧が交互に日本付近を通過するようになる。低気圧が雨をもたらし、翌日には高気圧が張り出し、気温が下がると霧が発生し雲海に発展する。これから暫くこのような天候が続くと思われる。
雨が暫く続き、今回、当日は晴れの予報が出されていた。早速、雲海と富士山を撮影するため、雲海に飲みこまれないよう標高のある奈良倉山を訪れることにした。雲海のトップ位置の標高を想定するのは難しいことであるが、山の標高が低いと雲海に飲みこまれ、富士山が姿を見せない事がある。
奈良倉山へは松姫トンネルが開通され、松姫峠への道路は冬季閉鎖されている。4月には解除されるが、今回は鶴峠を起点に登ることにした。駐車スペースは登山口から県道を100m程、上野原方面に下ったところにある。今回は前日ここに車を置き、車中泊して登山することにした。 登山口を午前3時30分に出発。未だ完全に雨は上がっていない状況で小雨交じりの中、歩き始める。一昨日からの雨で大地には十分水分が蓄えられ、雲海発生条件はほぼ満たされているが、気温は10℃とやや高め、もう少し下がれば確実視できる。
登り初めは林道に近い広い道をつづら折りにやや斜度のあるところを登っていくが、やがて幅は狭まり登山道らしくなる。降っていた小雨は止んだようだ。振り返ると東方面に三頭山の山容が確認できる。更に南に目を移すと雲海らしきものが目に入る。
松姫峠から山頂に向かう登山道に合流したのは5時30分。途中の登りはきつく予定時間をオーバーした。ここから山頂までは間もなくである。山頂到着は5時45分。日の出時間は6時02分。それには間に合ったが、富士山の抜けが悪い。雲海は思いの外少なく、トップの位置も低い。気温がもう少し下がれば雲海のボリュームも増えてくると思われるが変化はない。
富士山にコントラストが付かないため写真は撮りにくく、その画像も見栄えがしない。雲海は時々大小を繰り返したが。富士吉田の街が見える程に雲海が減少してきた。これ以上山頂にいても状況が良くなるとは思えず、8時半には山頂を後にした。登山道には多くの水分を含み斜面の急なところでは滑り易く、注意が必要である。登山道その周辺には雪は全く見掛けなかった。今日は下山時に山頂近くで夫婦の登山者に出会った。
今日の富士山
この写真では中央左よりに見えるはずの高川山(平らな山の向こう側辺り)がギリギリ雲海に飲みこまれている。
今日の富士山は空気中に微粒水分が 多いようで抜けが悪い(春霞) 6:25頃 |
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使用カメラ:OLYMPUS E-M1 FINEPIX F1000EXR