2013年撮影紀行 NO3
2月7日 大蔵高丸
前日の天気は1月14日に降った大雪に匹敵するような予報だったが、少し白くなる程度の雪で霙が混じるような天気に終わった。しかし、山は間違いなくそれなりの積雪になっていると予想され、前回大雪で行けなかった大蔵高丸へ再挑戦することにした。
焼山沢林道の閉鎖ゲートに着いたのは午前2時40分。1台の車が既に止められていたが車の主は出発されているようである。
林道は工事車両や猟の人達の車の出入りがあるため除雪されていたが、周辺を見渡す限り20cm以上の積雪があると思われる。そして、標高の高い所では更に厚みを増すことが予測される。
日の出前に山頂到着を目差すつもりだったが、目覚まし時計のセットを間違え1時間遅れでゲートに到着した。日の出までの時間を考えると、ぎりぎり間に合うか、それより厳しい状況が予測された。
1時間遅れの3時にゲートを出発する。除雪された車道の雪はないが融けだした雪が氷り状に膜を張り大変滑り易く、路肩にある雪の上を歩く事にした。50分程すると焼山沢沿いの登山道入口に差し掛かる。このまま林道経由で湯ノ沢峠まで行き着くことも出来るが、林道は迂回していて時間が掛かるため、最短である沢沿いの登山道を行くことにした。
登山道に入ると、昨日降った新雪が20cm〜30cm根雪に上に積もっているため、雪の量がかなり多く感じられる。沢沿いの登山道はブッシュなどが多く、アイゼンを付けると爪を引っかけ転倒の恐れがあるため、登りでは装着せずに歩くことにした。助かったことに先客のトレースがあり正直ホッとした気持ちである。使うエネルギーが大分軽減され、気持ちの上で楽になったことは確かである。このコースは沢沿いの中腹を歩く箇所が多く、谷側は雪と一緒に滑落する危険性があるので、なるべく山側に寄って歩くようにしている。
湯ノ沢の避難小屋までは順調に登り切り、この調子では日の出時間に間に合うと思ったが、湯ノ沢峠直前で滑って転倒。ここは新雪が薄く緩い傾斜があり、根雪の氷が表面に出てスケート場状態になっている。起きあがることも出来ず、ザックを外したが、それでもツルツル滑り立ち上がることが出来ない。止むなく横になった状態でアイゼンを装着せざるを得なかった。これには大分時間を費やし、湯ノ沢峠の分岐点に着いた時は6時少し前になっていた。
これより、お花畑を通過し大蔵高丸に向かうが、現在、お花畑は動物の進入を防ぐため、ネットが広範に張り巡らされ、登山道の北側と南側2箇所にアルミ製の扉が設けられている。人が入る場合は扉のロックを外し、扉を開け中に入るような形になっている。
北側の扉に差し掛かりレバーを回転させ扉を開けるが10cm程しか開かない。扉の下側が雪氷に阻まれ、それ以上力を入れても開こうとしない。人間だけは無理矢理入ろうと思えば可能と思われたが、ザックが厚くこれは到底通過出来ないと思われた。ザックの厚さは30cm、扉の下の凍結した雪氷を砕かないと開けることは出来ない。先客がこれを試み10cm程の隙間を確保したようであるが、どの様に入ったのか疑問である。とにかく必至で雪氷を砕くことに専念したが、10cm位の厚さの氷が張っている状態を砕き撤去するのは大変な作業である。たまたま自分の使っているストックがピッケル型をしているため、先端のピックを使って氷を砕くことにした。30cm扉を開けるのに大分時間が掛かったが、やっとの思いでザックと人が別々に扉を通過することが出来た。次は南側の扉が待っている。お花畑の中間点に差し掛かかるとトレースが消えていた。ここまで来て何故戻ったのか疑問である。恐らく白谷丸へ行き先を変更したと思われる。白谷丸へは南斜面を登るため大蔵高丸へ行くより積雪が少ないと思われるが、白谷丸へ登る方が傾斜がきつく大変に思えるが・・・・・。南側の扉は凍結していなかったため下側の雪を退かしただけで容易に開けることが出来た。
これより山頂に向かう登山道は積雪が多く40cmを超える所もあり、ピッチを上げたが、山頂に着いたのは7時ちょうど。日の出時間を20分程過ぎているが未だ薄暗くガスで視界がない。気温は-5℃と高め。次から次へとガスが上がってくるようで、回復の兆しは伺うことは出来ない。しかし、風に乗った雲の動きも感じられ、万が一ということもあり、暫く待機することにした。
1時間程待って下山するかどうか迷っている時だった。天空の足早に流れる雲の隙間にチラッと青空が見えたような気がした。回復願望が強いためか、もしかして幻想かなと思った瞬間、南側がいきなり開け、美しい富士山と雪花を咲かせた前景が姿を現した。思わず歓声を上げてしまうほどの情景に出会い感動を隠すことは出来ない。待った甲斐があったというものである。それでも大気が不安定で、視界が無くなったり、何度か繰り返しがあったが、カメラにはしっかり収めた。しかし、日の出から1時間以上が経ち、ガスの薄い膜が絶えず張っている状態にあり、全体的にコントラスト不足の写真になることは否めない感じである。目まぐるしく変化する情景に下山のタイミングが掴めず、11時になってやっと下山を決めた。
湯ノ沢避難小屋には12時頃に到着したが、先客の二人が下山支度をしていた。彼らは富士山NETクラブに所属しているカメラマンの人達だった。お花畑で戻った理由は聞き忘れたが、白谷丸から富士山を狙ったそうである。暫く山の情報交換や自己紹介をしてから別れた。
避難小屋で暫く休みながら昼食を摂り、12時50分に小屋を後に下山を始めた。この頃には天気はすっかり回復し、青空に映える雪景色の素晴らしさに暫く魅入っていた。
焼山沢の登山道は熊笹が多く登山道にせり出し歩きにくい。下山時は雪を被ることはないが、登る時は雪の重みで頭を垂れた熊笹の狭い間を通過するのは雪を背負い大変な目に遭うが、下山の時はなんなく通過出来る。所々の木々が雪の重みで傾ぎ、登山道を阻んでいる所もあり、ザックが木に引っ掛かたりして難儀することが多く、狭い沢沿いの雪道は思った以上に時間を要する。
林道に出たのは13時45分。閉鎖ゲートまで舗装道路の下りは底の硬い登山靴では、荷の重みが腰に直接影響し腰の痛みを感じる。最後となる林道の下りは時間以上に長く感じ、やっとゲートに到着。14時30分になっていた。二人組の車は既に帰った後だった。
焼山沢林道の閉鎖ゲートに着いたのは午前2時40分。1台の車が既に止められていたが車の主は出発されているようである。
林道は工事車両や猟の人達の車の出入りがあるため除雪されていたが、周辺を見渡す限り20cm以上の積雪があると思われる。そして、標高の高い所では更に厚みを増すことが予測される。
日の出前に山頂到着を目差すつもりだったが、目覚まし時計のセットを間違え1時間遅れでゲートに到着した。日の出までの時間を考えると、ぎりぎり間に合うか、それより厳しい状況が予測された。
1時間遅れの3時にゲートを出発する。除雪された車道の雪はないが融けだした雪が氷り状に膜を張り大変滑り易く、路肩にある雪の上を歩く事にした。50分程すると焼山沢沿いの登山道入口に差し掛かる。このまま林道経由で湯ノ沢峠まで行き着くことも出来るが、林道は迂回していて時間が掛かるため、最短である沢沿いの登山道を行くことにした。
登山道に入ると、昨日降った新雪が20cm〜30cm根雪に上に積もっているため、雪の量がかなり多く感じられる。沢沿いの登山道はブッシュなどが多く、アイゼンを付けると爪を引っかけ転倒の恐れがあるため、登りでは装着せずに歩くことにした。助かったことに先客のトレースがあり正直ホッとした気持ちである。使うエネルギーが大分軽減され、気持ちの上で楽になったことは確かである。このコースは沢沿いの中腹を歩く箇所が多く、谷側は雪と一緒に滑落する危険性があるので、なるべく山側に寄って歩くようにしている。
湯ノ沢の避難小屋までは順調に登り切り、この調子では日の出時間に間に合うと思ったが、湯ノ沢峠直前で滑って転倒。ここは新雪が薄く緩い傾斜があり、根雪の氷が表面に出てスケート場状態になっている。起きあがることも出来ず、ザックを外したが、それでもツルツル滑り立ち上がることが出来ない。止むなく横になった状態でアイゼンを装着せざるを得なかった。これには大分時間を費やし、湯ノ沢峠の分岐点に着いた時は6時少し前になっていた。
これより、お花畑を通過し大蔵高丸に向かうが、現在、お花畑は動物の進入を防ぐため、ネットが広範に張り巡らされ、登山道の北側と南側2箇所にアルミ製の扉が設けられている。人が入る場合は扉のロックを外し、扉を開け中に入るような形になっている。
北側の扉に差し掛かりレバーを回転させ扉を開けるが10cm程しか開かない。扉の下側が雪氷に阻まれ、それ以上力を入れても開こうとしない。人間だけは無理矢理入ろうと思えば可能と思われたが、ザックが厚くこれは到底通過出来ないと思われた。ザックの厚さは30cm、扉の下の凍結した雪氷を砕かないと開けることは出来ない。先客がこれを試み10cm程の隙間を確保したようであるが、どの様に入ったのか疑問である。とにかく必至で雪氷を砕くことに専念したが、10cm位の厚さの氷が張っている状態を砕き撤去するのは大変な作業である。たまたま自分の使っているストックがピッケル型をしているため、先端のピックを使って氷を砕くことにした。30cm扉を開けるのに大分時間が掛かったが、やっとの思いでザックと人が別々に扉を通過することが出来た。次は南側の扉が待っている。お花畑の中間点に差し掛かかるとトレースが消えていた。ここまで来て何故戻ったのか疑問である。恐らく白谷丸へ行き先を変更したと思われる。白谷丸へは南斜面を登るため大蔵高丸へ行くより積雪が少ないと思われるが、白谷丸へ登る方が傾斜がきつく大変に思えるが・・・・・。南側の扉は凍結していなかったため下側の雪を退かしただけで容易に開けることが出来た。
これより山頂に向かう登山道は積雪が多く40cmを超える所もあり、ピッチを上げたが、山頂に着いたのは7時ちょうど。日の出時間を20分程過ぎているが未だ薄暗くガスで視界がない。気温は-5℃と高め。次から次へとガスが上がってくるようで、回復の兆しは伺うことは出来ない。しかし、風に乗った雲の動きも感じられ、万が一ということもあり、暫く待機することにした。
1時間程待って下山するかどうか迷っている時だった。天空の足早に流れる雲の隙間にチラッと青空が見えたような気がした。回復願望が強いためか、もしかして幻想かなと思った瞬間、南側がいきなり開け、美しい富士山と雪花を咲かせた前景が姿を現した。思わず歓声を上げてしまうほどの情景に出会い感動を隠すことは出来ない。待った甲斐があったというものである。それでも大気が不安定で、視界が無くなったり、何度か繰り返しがあったが、カメラにはしっかり収めた。しかし、日の出から1時間以上が経ち、ガスの薄い膜が絶えず張っている状態にあり、全体的にコントラスト不足の写真になることは否めない感じである。目まぐるしく変化する情景に下山のタイミングが掴めず、11時になってやっと下山を決めた。
湯ノ沢避難小屋には12時頃に到着したが、先客の二人が下山支度をしていた。彼らは富士山NETクラブに所属しているカメラマンの人達だった。お花畑で戻った理由は聞き忘れたが、白谷丸から富士山を狙ったそうである。暫く山の情報交換や自己紹介をしてから別れた。
避難小屋で暫く休みながら昼食を摂り、12時50分に小屋を後に下山を始めた。この頃には天気はすっかり回復し、青空に映える雪景色の素晴らしさに暫く魅入っていた。
焼山沢の登山道は熊笹が多く登山道にせり出し歩きにくい。下山時は雪を被ることはないが、登る時は雪の重みで頭を垂れた熊笹の狭い間を通過するのは雪を背負い大変な目に遭うが、下山の時はなんなく通過出来る。所々の木々が雪の重みで傾ぎ、登山道を阻んでいる所もあり、ザックが木に引っ掛かたりして難儀することが多く、狭い沢沿いの雪道は思った以上に時間を要する。
林道に出たのは13時45分。閉鎖ゲートまで舗装道路の下りは底の硬い登山靴では、荷の重みが腰に直接影響し腰の痛みを感じる。最後となる林道の下りは時間以上に長く感じ、やっとゲートに到着。14時30分になっていた。二人組の車は既に帰った後だった。
今日の富士山
今日は日の出時間を1時間半ほど過ぎてから視界が開け富士山を見ることが出来た。大気が不安定で視界が閉ざされたり、開いたり、何度か繰り返され目まぐるしい状況であった。雲の動きも活発で瞬時に状況が変化し撮影にも気が抜けない。気温が高く水蒸気の量が多いようで白いガスの膜が張り、富士山の抜けもあまり良くなかったが、雪花が綺麗に咲き富士山を一層引き立てていた。
8:30頃の富士山 (雲は足 早に流れている) |
8:40頃の富士山 (綺麗に 咲いた雪花) |
10:20頃の富士山 (雲に隠 れる寸前) |
10:50頃の富士山 (この時 間になると抜けが更に悪くなってき た) |
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山頂および登山道
新たに設けられた山名板 8:00 頃 |
山頂から南を望む(富士山の姿が微 かに) 8:40頃 |
山頂の様子 9:00頃 |
シシウドに咲いた雪花 10:00頃 |
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青空に映える 10:00頃 | 山頂から下る登山道 11:10 頃 |
頭を垂れている熊笹 11:30 頃 |
振り返ると大蔵高丸の 名通り の姿 11:30頃 |
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熊笹の間を行く登山道 11:30頃 |
お花畑南側の扉 11:40頃 |
雪のお花畑 11:40頃 |
お花畑の木に咲く雪花 11:45頃 |
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お花畑より白谷丸を望む 11:45頃 |
お花畑北側の扉(凍結で開けるのに 難儀した) 11:50頃 |
湯ノ沢峠(積雪は40cm位) 12:15 頃 |
湯ノ沢避難小屋(先客と出う)12:50 頃 |
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沢沿いの登山道 13:00 頃 |
雪の重みで傾斜している(所々で見ら れる) 13:05頃 |
焼山沢登山道入口 13:45 頃 |
林道の閉鎖ゲート 14:30頃 | |||
行程:林道ゲート(午前3:00発)→焼山沢登山道入口(3:50)→湯ノ沢峠(5:45)→大蔵高丸(6:55〜11:00)
→湯ノ沢避難小屋(12:00〜12:50)→焼山沢登山道入口(13:50)→林道ゲート(14:30)
b 使用カメラ:OLYMPUS E-P2 ・FINEPIX F300EXR
2月20日 笹子雁ヶ腹摺山
笹子雁ヶ腹摺山は昨年2月26日に訪れて以来1年ぶりである。この時は天気に恵まれず富士山を望むことが出来なかった。今回は前日市内でも雪がぱらつき積雪は殆どなかったものの標高の高い山では間違いなく積雪が予想された。雪景色を撮影するには絶好の機会と思い早速、笹子雁ヶ腹摺山を訪れることにした。
県道212号の閉鎖ゲートに着いたのは午前3時。国道から県道に入り少しすると道路には僅かに積雪があり、走行しているとパリパリ音をたて、凍結している状態が確認出来る。先に進むに従い積雪は増加し、“矢立の杉”辺りでは20cmを超えている状況と思われる。間もなくすると閉鎖ゲートに行き当たる。
仕度を調え3時30分ゲート前を出発する。途中の山道でアイゼンを装着するのも面倒なため最初から履いて出発する。林道を20〜30分歩くと旧笹子隧道手前の登山道入口に差し掛かる。この付近の積雪は30cmを超え想定していた積雪より多い。登山道に入り直進するが、暫くすると急斜面の壁に突き当たる。何度か戻り登山道を探すが見つからず、時間が経過するばかりでやや焦りを覚える。山頂到着予定は6時であるが、積雪も想定より多いし、ここで時間を取っていると日の出時間に間に合わないと思い、突き当たる急斜面を登ることにした。いずれ登山道に行き当たると確信しての見切り発車である。
雪のある急斜面は4本足でないと登ることが出来ない。雪の底は凍結した氷でアイゼンを付けていても滑る。何度かずり落ちながらも繰り返し登るが、この様な状況は想定していなかったので6本爪のアイゼンを装着し出発した。最低でも先端に爪のある10本爪以上でないと凍結した急斜面は厳しい。車には積んであるが、今更云っても始まらない。
登ること1時間30分、登山道に出会う。既に5時30分を過ぎている。焦りを覚え先を急ぐことにする。暫く登りが続き、そのうち空が白みだした。それにしても膝が潜るぐらいの積雪で思うように歩行が捗らない。ピークを越え緩い下りに差し掛かる。それにしてもこの細尾根は何か可笑しいと感じ始めた。6時を廻り東の空は色付いているはずだと思われたが、前方にそれがない。振り返ると後方が明るい。笹子雁ヶ腹摺山は東方向に進むはずであるが・・・・・地図とコンパスで方向を確かめる。どうも道を誤ったようである。この登山道は南西に向かっていることが判明した。笹子雁腹と反対方向でカヤノキビラノ頭に向かう登山道に入り込んだようである。
自分の足跡をトレースし下山する。元に戻った時は7時半近くになっていた。道を誤った場所は判明した。の多さと暗さで見逃したようである。元々、登山口から進むと右にやや鋭角に曲がる道に入らなければならなかったが、分かりにくいことは確かである。
重労働をした後でこれから登り直しても山頂では陽が高くなり過ぎ、富士山の撮影は難しいと思われた。このまま家に戻ろうと考えたが、気を取り直し、山の状況を確かめようと笹子雁ヶ腹摺山を目差すことにした。
7時30分、笹子峠から登り始める。最初の急斜面は疲労のためか難儀するが、何とかクリヤーする。積雪は場所によって異なるが20〜30cm。暫く緩い登りが続くが谷の中腹が登山道になっているため、谷側に滑り落ちないよう注意しながら歩く。最初の鉄塔を通過し、アップダウンを繰り返しながら先に進むと2番目の鉄塔を通過する。ここからは富士山の堂々たる姿を見ることが出来る。周辺を見渡すと木には雪花が咲き素晴らしい雪景色が展開されている。
これより下りに入り、暫くすると山頂に向かい急斜面の登りに入る。山頂付近は風が強いためか、雪は飛ばされ凍結した根雪が露出している。歩くとアイゼンの刃がガリガリ音を立てる。最後の登りはきつく辛い。最後の力を振り絞り9時30分、やっと山頂到着。気温は-5℃、風は殆ど無く、強い光が注いでいる。富士山もクリヤーな姿を見せている。山頂には先客が居て、カメラを構えパチパチ撮っている。ここからは南アルプスが良く展望出来るが、その先に北アルプスの穂高連峰が見えるとカメラマンが云う。しかし、今日は確認することが出来ない。このカメラマンは笹子駅から歩いて登って来たそうである。下山は笹子峠に降り笹子駅へ戻る予定だと云う事だった。
笹子雁ヶ腹摺山からの富士山は撮影しづらい状況があり、カメラマンにとってはやや不人気な山かも知れない。送電線の鉄塔が乱立し、どうしても画面に入り込んでしまい、自然を損ねることになる。雲がこれらを隠してくれれば良いが、今日はそのような状況ではない。或いは超望遠レンズで鉄塔が入らないように撮影するしか無いようである。富士山撮影もこの時間になると逆光線気味となり意図する撮影は難しい。一頻り撮影を終え、11時30分元来た道を下山することにする。日当たりの良い所は雪が融け出し、泥濘状態で滑り易く、谷の中腹を行くところで片足が谷側に滑り転倒、少しズリ落ち、ストック上部に付いた刃を地面に差し込み、体を止めたが、ズボンの右側下半身は泥だらけ、散々な目に遭った。登山口には13時15分に戻る。ズボンの着替えがないためここで雪を使って泥を落とす作業をする。上着の右腕辺りにも泥がべったり付き落とすのに暫く時間が掛かった。
ゲートに戻った時は14時00になっていた。今日は道を誤ったり、泥濘で滑ったり散々な目に遭った。
県道212号の閉鎖ゲートに着いたのは午前3時。国道から県道に入り少しすると道路には僅かに積雪があり、走行しているとパリパリ音をたて、凍結している状態が確認出来る。先に進むに従い積雪は増加し、“矢立の杉”辺りでは20cmを超えている状況と思われる。間もなくすると閉鎖ゲートに行き当たる。
仕度を調え3時30分ゲート前を出発する。途中の山道でアイゼンを装着するのも面倒なため最初から履いて出発する。林道を20〜30分歩くと旧笹子隧道手前の登山道入口に差し掛かる。この付近の積雪は30cmを超え想定していた積雪より多い。登山道に入り直進するが、暫くすると急斜面の壁に突き当たる。何度か戻り登山道を探すが見つからず、時間が経過するばかりでやや焦りを覚える。山頂到着予定は6時であるが、積雪も想定より多いし、ここで時間を取っていると日の出時間に間に合わないと思い、突き当たる急斜面を登ることにした。いずれ登山道に行き当たると確信しての見切り発車である。
雪のある急斜面は4本足でないと登ることが出来ない。雪の底は凍結した氷でアイゼンを付けていても滑る。何度かずり落ちながらも繰り返し登るが、この様な状況は想定していなかったので6本爪のアイゼンを装着し出発した。最低でも先端に爪のある10本爪以上でないと凍結した急斜面は厳しい。車には積んであるが、今更云っても始まらない。
登ること1時間30分、登山道に出会う。既に5時30分を過ぎている。焦りを覚え先を急ぐことにする。暫く登りが続き、そのうち空が白みだした。それにしても膝が潜るぐらいの積雪で思うように歩行が捗らない。ピークを越え緩い下りに差し掛かる。それにしてもこの細尾根は何か可笑しいと感じ始めた。6時を廻り東の空は色付いているはずだと思われたが、前方にそれがない。振り返ると後方が明るい。笹子雁ヶ腹摺山は東方向に進むはずであるが・・・・・地図とコンパスで方向を確かめる。どうも道を誤ったようである。この登山道は南西に向かっていることが判明した。笹子雁腹と反対方向でカヤノキビラノ頭に向かう登山道に入り込んだようである。
自分の足跡をトレースし下山する。元に戻った時は7時半近くになっていた。道を誤った場所は判明した。の多さと暗さで見逃したようである。元々、登山口から進むと右にやや鋭角に曲がる道に入らなければならなかったが、分かりにくいことは確かである。
重労働をした後でこれから登り直しても山頂では陽が高くなり過ぎ、富士山の撮影は難しいと思われた。このまま家に戻ろうと考えたが、気を取り直し、山の状況を確かめようと笹子雁ヶ腹摺山を目差すことにした。
7時30分、笹子峠から登り始める。最初の急斜面は疲労のためか難儀するが、何とかクリヤーする。積雪は場所によって異なるが20〜30cm。暫く緩い登りが続くが谷の中腹が登山道になっているため、谷側に滑り落ちないよう注意しながら歩く。最初の鉄塔を通過し、アップダウンを繰り返しながら先に進むと2番目の鉄塔を通過する。ここからは富士山の堂々たる姿を見ることが出来る。周辺を見渡すと木には雪花が咲き素晴らしい雪景色が展開されている。
これより下りに入り、暫くすると山頂に向かい急斜面の登りに入る。山頂付近は風が強いためか、雪は飛ばされ凍結した根雪が露出している。歩くとアイゼンの刃がガリガリ音を立てる。最後の登りはきつく辛い。最後の力を振り絞り9時30分、やっと山頂到着。気温は-5℃、風は殆ど無く、強い光が注いでいる。富士山もクリヤーな姿を見せている。山頂には先客が居て、カメラを構えパチパチ撮っている。ここからは南アルプスが良く展望出来るが、その先に北アルプスの穂高連峰が見えるとカメラマンが云う。しかし、今日は確認することが出来ない。このカメラマンは笹子駅から歩いて登って来たそうである。下山は笹子峠に降り笹子駅へ戻る予定だと云う事だった。
笹子雁ヶ腹摺山からの富士山は撮影しづらい状況があり、カメラマンにとってはやや不人気な山かも知れない。送電線の鉄塔が乱立し、どうしても画面に入り込んでしまい、自然を損ねることになる。雲がこれらを隠してくれれば良いが、今日はそのような状況ではない。或いは超望遠レンズで鉄塔が入らないように撮影するしか無いようである。富士山撮影もこの時間になると逆光線気味となり意図する撮影は難しい。一頻り撮影を終え、11時30分元来た道を下山することにする。日当たりの良い所は雪が融け出し、泥濘状態で滑り易く、谷の中腹を行くところで片足が谷側に滑り転倒、少しズリ落ち、ストック上部に付いた刃を地面に差し込み、体を止めたが、ズボンの右側下半身は泥だらけ、散々な目に遭った。登山口には13時15分に戻る。ズボンの着替えがないためここで雪を使って泥を落とす作業をする。上着の右腕辺りにも泥がべったり付き落とすのに暫く時間が掛かった。
ゲートに戻った時は14時00になっていた。今日は道を誤ったり、泥濘で滑ったり散々な目に遭った。
今日の富士山
山頂からの富士山 10:30頃 | 同左(送電線の鉄塔が景観を損ねる) 11:00頃 |
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登山道と山頂の様子
登山道には20cm〜30cmの積雪があり、吹きだまりのようなところでは40cmを超えていた。下山時になると気温が上がり日当たりの良い所では雪が融け、泥濘状態のところが多く、斜面ではアイゼンが効かず滑って転倒しやすいため注意が必要である。特に最後の急斜面は南向きで滑り易く転倒すると危険である。(以下写真は登山始まりから下山まで時間を追って並べてある)
笹子峠(直ぐに急斜面が 始ま る) 7:30頃 |
中腹を行く登山道(20cm位の積 雪) 7:50頃 |
最初の鉄塔 8:20頃 |
同左より笹子雁ヶ腹摺山を 望 む 8:20頃 |
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谷側に傾いている登山道(この付近 の積雪は30cm位) 8:45頃 |
2番目の鉄塔 8:50頃 |
第2鉄塔付近から(奥は笹子雁ヶ腹 摺山) 8:50頃 |
同左からの富士山 8:50頃 |
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笹子雁ヶ腹摺山山頂(到着時撮 影) 9:40頃 (気温は −5℃でやや高め) 20cm位の積 雪 |
同左 (下山時撮影) 11:20 頃 |
登山道入り口 13:15頃 |
旧笹子隧道(この付近の積雪は30c mを超える) 13:15頃 (ここで衣服に 付いた泥を 落す ) |
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県道212号線ゲート(これより登山口までは徒 歩20〜30分) 14:00頃 |
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行程 :笹子峠発(午前7:30)→第1鉄塔(8:15)→第2鉄塔(8:50)→雁ヶ腹摺山山頂(9:40〜11:20)
→笹子峠(13:05)→登山口(13:15)→ゲート着(14:00)
今回、登山道を誤り、気が付いた時はカキノキビラノ頭に向かっていた。彷徨時間(ロスタイム)
3時間30分。7時30分に笹子峠に戻り、笹子雁ヶ腹摺山に向かい仕切り直した。
使用カメラ: OLMPUS EP-2 FINEPIX F300EXR