2013年撮影紀行 NO2




1月30日 高畑山・倉岳山


 高畑山・倉岳山には昨年夏に訪れ半年ぶりとなる。両山とも雑木や杉の木が富士山撮影に支障し、撮影は望遠系のレンズにある程度限定され、表現の幅が制限される。  今回も秋山無生野の登山口から、高畑山を訪れ撮影を終えてから、倉岳山に向かう予定である。
 上野原ICで高速道路を降り県道35号線経由で無生野の登山口に午前3時に到着。県道から登山口へ向う林道は未だ多くの雪が残り、車の進入も容易でない。以前、大雪の時に途中で車がスタックし、断念したことがあるが、今回は問題なく行き着くことが出来た。
  3時40分登山口を出発する。暫く穴路沢伝いの登山道を歩くが、未だ30cm程の雪が残されている。この沢は水量が多く枯れたことを見たことがない。登り始めの頃は沢の中を歩く所があり岩や石がゴロゴロしていて歩きにくい。沢を離れると杉林の中に付けられた登山道をひたすら登ると、やがて穴路峠に到着する。ここは分岐点になっていて西に高畑山、北に大月市鳥沢、東に倉岳山へと向かう登山道が交差している。
  これより高畑山へ向かう登山道は、北東斜面に面し、残雪が凍結し滑り易い状態になっている。急斜面の箇所もあり、アイゼンを装着した方が無難である。
  高畑山山頂には5時20分に到着。気温は-1℃であるが、風が強く寒さが身に凍みる。富士山は未だ暗いため黒いシルエット姿で確認出来る。星空も鮮明ではないが望むことが出来る。更に南の空の高い位置には寝待月が輝いている。山頂の南側は杉の木が植林され、若木が多くまだ伸び盛りで年々成長し視界が狭まりつつある。富士山はその杉の木の合間から望むことになるが、枝が入り込み撮影がしづらい状況である。山頂から東に150m程下った所に杉の木の間隔が山頂よりも若干広い所があり、普段はここで撮影することにしている。
 日の出時間が近づき、富士山の雪面がうっすらと色付き始め、今日の幕開けが始まった。富士山上空の薄雲も色を帯び、刻々と変化する色彩に感動を隠せない。今日の富士山はたっぷり雪を蓄え、純白でたおやかな表情を見せている。澄み切った青空に浮かぶ富士山は神々しく心が洗われる思いである。
 9時に高畑山を後に倉岳山に向かう。穴路峠までは雪が所々にあり急斜面の下りでは滑り易く慎重に下山する。穴路峠を9時30分に通過。これより倉岳山へは登りが続くが、南西斜面で雪は殆ど見られない。急斜面の登りが3箇所あり最後の斜面を登り切ると山頂である。
 山頂には10時40分に到着、富士山は相変わらず神々しい姿を見せているが、撮影は手前の雑木が賑やかに入り込み、富士山の美しい姿を損ねるため、フィルムでの撮影を控えることにした。高畑山より撮影条件は悪く、残念ながら倉岳山では撮影意欲が湧かない。
 11時、倉岳山を後に下山を始める。穴路峠を11時に通過、登山口には11時40分に到着。今日は倉岳山の山頂で男性3人の登山者と出会う。



今日の富士山

(高畑山より)


 日の出時間にはピンクに色付いた      6:40頃




たおやかな表情を見せている     8:10頃








山頂および登山道の状況


登山口〜穴路峠〜高畑山間は雪が多い。倉岳山へは南西斜面で雪は少ない



 高畑山山頂               7:45頃  

高畑山山頂直下から望む倉岳山   9:05頃  

山頂直下の急斜面          9:10頃  





天神山山頂            9:30頃

穴路峠                 9:40頃  

倉岳山に向かう登山道       9:45頃





倉岳山山頂               10:20頃    

山頂からの富士山(雑木が入り込み撮影す
づらい)10:30頃  


山頂からの下山道(南西斜面で雪は少な
い) 10:40頃  





 穴路沢(岩や石がゴロゴロ水量も多い) 11:
30頃


登山口近くの登山道(雪が多く残っている)
11:35頃  


登山口の駐車スペース(2台止められる)  
11:40頃      









行程:無生野登山口(午前3:30発)→穴路峠(4:00)→高畑山(5:15着・9:00発)→穴路峠(9:40)

                  →倉岳山(10:20着・10:35発)→穴路峠(11:00)→無生野登山口(11:20着)




                              使用カメラ:  PENTAX 645N  ・OLYMPUSEP2 ・FINEPIX F300EXR








2月4日 奈良倉山


  奈良倉山には昨年9月に訪れ、5ヶ月ぶりとなるが、十二景の山では年間に訪れる回数が最も多く2006年からの通算では30回を超える。自宅から松姫峠の駐車場まで一般道経由で1時間50分で到着し、峠より山頂までは歩いて50分、大変アプローチし易い山である。というのが訪れる回数を多くしている要因である。
 松姫峠の駐車場には午前4時10分に到着。一台のワゴン車が止められていた。車中泊だろうか?カメラマンだろうか?不明であるが・・・・何か不安げに感じる。天空には有明月が南の高い位置に輝いている。星も望めるが水蒸気が多いせいかやや不鮮明である。富士山は暗いため見ることは出来ないが、今日の天気予報は曇りである。現在は晴れ間が広がっている状況で今後の成り行きが気になる。
 5時10分峠を出発し撮影地点に向かう。今回も撮影は山頂の西側林道で行う予定である。林道には残雪があり、轍はツルツルに凍結し滑り易いため雪のある所を歩く。40分程で撮影地点に到着する。ここは前面が開け遮るものがない。前衛の山の奥に富士山が望めるという構図が得られる場所である。天空は晴れているが周辺の山々には雲が掛かり、富士山の姿も雲の奥に隠れているようで確認出来ない。雲行きはあまり良くないようで、雲の量が徐々に増えている感じである。取りあえず撮影の準備をして富士山の出現を待つことにする。暫くすると雪が舞い始めた。辺りも明るくなり始め、日の出時間が近づいてきたが雪も止む気配はなく益々視界が悪くなってきた。
 暫く待機し様子を見たが、天気の回復は望めず撮影を諦め、7時10分下山することにした。下山は山頂を経由し山道(回り道)を回って松姫峠へ戻ることにした。7時35分に山頂を踏んだが、山頂にも凍った雪が残り、上に載るとバリバリと音を立てて割れる。山名表示板も新たなものが設置されていた。なかなか遠くからは立派に見えるが、近づくと見かけほど重々しさがない。山道にも全般に15cm程の残雪があり、斜面に切られた道では谷側にやや滑り易い。山道はアップダウンが少なく雪があっても楽に歩けるコースである。
 暫く下山しているうちに天気は回復し青空が覗き始め、そのうち太陽の光が燦々と降り注いで来るようになった。もしかして、富士山が姿を見せているかも知れないと思いつつ下山を続けていると、山道の雪景色は何処でも同じに見え、違いの区別は付きがたいが、下る距離がやけに長いなと懸念を感じていた矢先、林道に出会った。この時、何の疑問もなく林道を下れば松姫峠だと思い込み、足早に下ったが轍もないし雪も多く道路幅も狭いなどと、いつも歩いている林道とは違うことに気が付いた。山頂から既に40分以上は下っていた。太陽の位置から北東に向かって下ったことが分かった。このまま下ると鶴峠だということも判明した。山頂から下る途中の分岐を見逃したためである。元来た道を分岐点まで登り返さないと松姫峠にはたどり着かないと思いつつ、天気も良くなったことだし、富士山が姿を見せているかも知れないと思い山頂まで戻ることにした。
 山頂に戻ったのは9時45分。山頂を後にしてから2時間10分が経っていた。途中、分岐を示す案内表示標が倒れていたため、それを見逃し鶴峠方向に下ってしまったのである。それにしても40分も下って間違いに気が付いたのは遅かった。奈良倉山は十二景の山でも最も簡単に登れる山という意識が強く、30回以上も登り、道を誤ることはないと、気の緩みがあったのである。十二景の山では初めて不覚を取ったことになる。
 山頂の富士山展望所に向かい富士山方向を眺めると雲に覆われ、裾が僅かに見える程度で残念ながら写真にはならない状況である。
 今度は林道経由で松姫峠へ下ることにした。10時40分駐車場に到着。別の車1台が置かれていた。帰り支度をしていると林道のゲートを開け1台のクロカン四駆が進入していった。東京都水道局の車だった。この付近一帯は東京都の水源になっていることを思い出した。
 今日も誰とも出会うことはなかった。




山頂及び登山道の状況


 先月14日に降った雪が登山道や林道にも10cm〜20cm程残っている。凍結し滑り易い所もあるが、概ねアイゼンなしで歩くことが出来る。山道の斜面中腹の登山道は雪がある場合、谷側に滑り易いので注意が必要である。


 撮影地点の林道           7:15頃  

登山道に向かう林道          7:20頃

林道から山頂に向かう登山道        7:20頃  





  山頂を少し下がった所の富士山展望所    
7:35頃    


山頂の様子                7:35頃  

山頂より下山方向の山道 7:40頃  





 松姫峠に向かう登山道   7:50頃  

山頂を少し下った富士山
展望所     9:45頃  


誰が作ったのか林道に下る
登山道    10:00頃    







松姫峠の駐車場           10:40頃

 









                              使用カメラ :   FINEPIX F300EXR