2015年 撮影紀行(その6)



4月12日 奈良倉山

 一昨昨日は奈良倉山で富士山の撮影が天候不良で空振りに終わった。当日の天気予報では早朝から晴のマークが付いていたが、寒気が抜けず霧が発生し回復が遅れた。このため残念ながら富士山を展望することが出来なかった。 今回は雪辱を果たすため再度、奈良倉山を訪れることにした。大気が不安定なのか予報では今後、一週間ぐらい曇りや雨の日が続き、今日を除きチャンスは暫くないと思われた。前日の降雨によって雲海発生の可能性が高く、素晴らしい情景に出会えることを願った。
 前回と同じように松姫峠を午前3時50分に出発。前回の雪は登山道にも確認されない。山は霧に包まれていたが、朧気な月が時折見え隠れしている。前回ほど霧は濃くないことが窺い知れる。
 今回は同行者が1人居り、既に山頂で待機している筈である。松姫峠の駐車場には我々の車2台と他の車が2台止められていた。
 林道の撮影場所には4時20分に到着。相変わらず霧で、前衛の山々も全く見ることができないが月は相変わらず見え隠れしている。上空の霧はそれ程厚くないと思われた。暫くすると空は白みだし、上空の霧が動いていることが確認出来る。間もなく霧は晴れると確信した。いつチャンスが訪れるか分からないため予め撮影の準備を始める。
 間もなく日の出時間を迎える。視界は開けていないが上空の色が変わってきた。霧が晴れてくる様子を感じるが、前衛の山も見えず、日の出時間を過ぎても平行線を辿っている。そんな中、暫くすると上空で青空が見え隠れを始めた。もう時間の問題だと思った。6時少し前、突如視界が開けた。雲海に浮かぶ富士山。感動の一瞬である。一時少なくなった雪もたっぷり蓄えられ春らしい富士山の姿である。もう30分早く視界が開けていたらと思われたが、贅沢な願望である。
 やや抜けが悪く、光不足で雲海と同化したコントラストのない富士山であったが、時間と共にクリヤーになってきた。
 一頻り撮影を終え、同行者の居る山頂に向かう。ここでも数カット撮影し、8時半過ぎには山頂を下りる。途中、林道から見える富士山は既に雲に隠れていた。富士山が姿を現していた時間は2時間半程度と少ない時間であったが、素晴らしい情景に出会えたことはカメラマン冥利に尽きる。



今日の富士山


黙々とした雲であるが抜けが悪い 6:20頃  


色々な形の雲が発生    7:00頃


空が碧く抜けてきた    7:20頃






                                                               使用カメラ:OLYMPUS E-M1




4月9日 奈良倉山

 都心部でも僅かながら季節外れの雪が降り、十二景の山でもある程度の纏まった降雪があったと予測される。しかしながら冬季林道閉鎖されている大蔵高丸や牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ入るには突然の雪で積雪量が把握できず不安を感じる。そこで今回は雪があっても比較的容易に入れる奈良倉山を訪れることにした。
 国道139号線は昨年、松姫トンネルが開通したため、旧道を閉鎖しその法面工事などが行われ暫く松姫峠に車で入ることが出来なかったが道路交通情報によると、小菅側からのみ松姫峠まで通行できるような案内の表記あった。しかし、通行できるかどうか説明に不明な点も有りあり、その場合、鶴峠から入ることも視野に入れておくことにした。
 旧道へは松姫トンネル手前から右折して入る形であるが、情報通り当日は通行可能となっていた。ホッとしたが、道路には昨日降った雪が10cm位積もっている。春の雪は横滑りしやすく、カーブでは速度を落とさないとスピンする可能性があり、運転には慎重さが要求される。また、霧が濃く視界が殆どない状態で更なる慎重運転を強いられる。未明のため交通量は殆どないが安心は禁物である。  
 松姫峠には午前3時20分に到着。濃霧で見えるのはヘッドランプの反射光と周辺の灯りだけである。風もなく割と暖かい感じがする。霧に動きは見られず回復するか心配であるが、とにかく撮影場所へ向かうことにする。
 撮影は林道の西側に視界の開けた場所があり、撮影上の制約はなくそこで撮影することにする。山頂からは前面の杉の木が成長し邪魔するため、最近は制約のない林道から撮影することが多い。
 天候回復を待つが濃霧は一向に変化はなく、日ノ出時間を過ぎても同じ状態である。気温は−2℃。じっと待っていると寒さが身に染みる。そこで、身体を温めるため山頂を一回りしてくることにした。
 山頂にも10cm以上の積雪があり、霧に包まれながらも春とは思えない季節外れの情景が目に入る。霧で不鮮明であるが、周辺の木々には雪花が咲き、華やいだ雰囲気を演出してくれている。
 1時間ほどで撮影場所に戻ったが、状況に変化はなく今後とも天候回復はないと判断し、富士山撮影を断念する。9時に撮影場所を後に、松姫峠へ下ることにした。  



山頂と林道の状況

   林道西の撮影場所          


カラ松に咲いた雪花


林道南から山頂への入り口






急峻な登りの山頂へのアプローチ



雪に覆われた山頂の様子 7:20頃


山頂の富士山展望所(富士山の姿は見当た
らない)





山頂の木に咲いたとげのある珍し い雪花  


林道西側に下りる登山道(画面左方向に下
る)


林道際の杉の木は春雪の重みで頭を垂れ
ている  





霧に煙る松姫峠の駐車場(自分の車だけで
ある) 9:40頃      





バリケード(大月側へは通行止めとなってい
る)







                                           使用カメラ:OLYMPUS E-M1   FINEPIX  F1000EXR




 


4月6日 岩殿山

 雨や曇りの日が続く中、当日の天気は雨の予報であったが、突如晴れに変わった。早速、最盛期を迎えている桜と富士山を撮りに岩殿山を訪れることにした。
 撮影予定は日ノ出時間帯に朝焼けを狙い山頂から富士山を撮影。光が廻った頃、中腹へ移動し桜と富士山。その後、丸山公園まで下りて撮影。更にお伊勢山へ移動し桜と富士山を撮影する予定である。
 山頂には4時半過ぎに到着。既に東の空は明るみを帯びオレンジ色に焼けている。天気予報は当を得たようだ。未だ暗くてはっきりしないが、桂川沿いには川霧が発生しているように見える。天空は所々雲があるものの西の空には満月を2日過ぎた居待ち月が煌々と光を放っている。
 日の出時間は5時20分頃。富士山上空の雲が焼け出している。5時半を廻った頃から富士山頂に朝日が差し始める。徐々にその範囲は広がり10分後には全体に光が行き渡った感じである。薄いピンク色に焼けたが撮影には物足りなさを感じる。カメラが濡れるほどの湿気の多さで光が吸収され焼け方が少なかったと考えられる。富士山の抜けも余り良くなく、写真では不鮮明な画像になる可能性がある。山頂で撮影していると1人のスポーツウエア-を着た中年の女性が現れた。ヨーロッパアルプスへ登るためのトレーニングをしているとのことだったが、下の入口から走って20分で登って来たそうだ。凄い女性が居るものだと感心させられる。それから暫くすると男性3人の若い登山者が登って来た。富士山を見て感動していた。若い人達のそのような姿は印象的だった。
 中腹へ移動し、桜の開花状況を見るに、花数が少なく最盛期を過ぎたようで所々に葉が見られる(後でふれあいの館の人に聞いたところ鳥にやられたと言うことだった)撮影しても絵にならない気がするが記録として残しておくことにする。この中腹には満開のヤマツツジが咲いていた。この時期満開というのは初めてだと思う。桜に比べ鮮やかで絵になる。
 丸山公園には8時半頃に降り立ったが桜は満開。一部散り始めている桜もあったが、全体的に華やいだ雰囲気である。カメラマンは3人と思ったよりも少なかったが皆アングルを変えながら精力的に撮影を楽しんでいた。富士山頂には笠雲が出来て良い雰囲気を醸し出していた。
 お伊勢山には10時半頃に到着。桜はこちらも満開を迎えていたが、富士山には半分ほど雲が掛かり、状況は好ましくなく記録として残しておくことにした。 


今日の富士山



日の出直前上空の雲が焼ける       5:20頃      





山頂に朝日が差す(薄いピンクに染まる)           
      5:40頃

 
 
 
 
 
 
 

 


川霧が発生し街を埋めようとしている  5:40頃  




中腹の桜(花数が少ない)         7:30頃

 
 
 
 
 
 
 

 


中腹のヤマツツジ(この時期に満開は珍しい)  8:05
頃        






丸山公園の桜              9:10頃  

 
 
 
 
 
 
 

 



徐々に大きくなった笠雲           9:20頃  





  お伊勢山から(雲に隠れるようになった)         
      10:45頃

 
 
 
 
 
 
 

 



山頂の様子と山頂で見られる花

 

扇山裾からの日の出      5:33頃    

山頂の桜(未だ3部咲き)


岩殿山山頂              





山頂北側の谷は川霧で埋められてい
る    6:00頃

   カタクリの花        (朝のう
ちは萎んでいる)  

ヤマツツジ(山頂北側)

キンランソウ(シソ科)

















                                                             

                                                  使用カメラ:OLYMPUS E-M1   FINEPIX  F1000EXR