2012年撮影紀行 NO7




5月7日 雁ヶ腹摺山・姥子山


 林道の冬期閉鎖が解除され早速、姥子山・雁ヶ腹摺山を訪れることにした。今年初めてになるが昨年もこの時期(5月8日)に訪れている。姥子山山頂には多くの馬酔木が自生し、昨年訪れた時は花が満開で富士山にレイアウトし撮影を行った。今回も同様な写真を撮る予定で、今回は姥子山での撮影がメインとなる。
  林道奈良子線の開通が待たれる所であるが、現在、姥子山へは大峠から雁ヶ腹摺山経由で行くのが最短である。今回もこのコースを往復することにした。
  大峠の駐車場に午前2時15分車を止める。他に止められている車はない。気温は5℃、やや強い風が吹き気温以上に寒さを感じる。西の空には居待月(満月から2日目)が煌々と輝き駐車場を明るく照らしている。この時期の服装は難しく、歩き始めると暑くなるため歩行中は薄地の長袖が丁度良いが、2000mクラスの山頂では未だ寒く、防寒服の持参は必須である。
 2時30分大峠を出発。周辺を明るくしている居待月は見た目満月そのもので、夜道を歩く際の強い味方である。かといってヘッドランプが不要と云うことにはならないが、不安はだいぶ解消される。姥子山までは大峠から2時間程の行程となるが、雁ヶ腹摺山を越えると、奈良子林道取付まで40分程下りとなるため往路は比較的楽である。
 雁ヶ腹摺山までは登りが続き運動量は多いが、気温が低いためか汗の出は比較的少ない。雁ヶ腹摺山山頂直下を3時30分に通過。天気は良いが富士山の姿が確認しづらい。既にこの時間から霞が立ち込め視界を悪くしている。ここからは暫く下りが続くが、途中、東の空を望むとは赤味を帯び、既に今日の幕開けが始まっている。この時期は4時少し前には空が白み、夜明けが更に早まったことを実感する。
 奈良子林道の取付を4時10分に通過。これより山頂までは登りに入るが、姥子山は東峰、西峰の双耳峰で西峰のピークを越えて東峰(本峰)に至る。
 山頂には4時30分に到着。気温は大峠と同じ5℃。時折強い風に曝され、寒さが身に応え防寒服を着込む。この時間になるとかなり明るくなりヘッドランプはもう不要となる。天空は晴れ間が広がり富士山の姿を確認できるが、霞が掛かり不鮮明な富士山が目に入る。それよりも西方の山に沈もうとしている居待月は幻想的で心に残る光景である。
 今日の日ノ出時間は4時43分で、早速、準備を整え撮影に入る。時間通り日は昇り、富士山の雪面は橙色に焼けだしたが、霞の影響で光が不足し焼け具合があまり良くない。山頂の馬酔木も蕾の状態で開花は未だ暫く先のようで、富士山との撮影は先送りせざるを得ない。時間の経過と共に霞の影響が広がり、富士山の視界も不良となったため、撮影を取り止める。
 6時35分下山を始める。奈良子林道取付まで20分程下り、これから雁ヶ腹摺山への登りに入る。標高差390mを一気に登るため、長く続くこの登りは結構ハードである。
 雁ヶ腹摺山山頂には8時15分に到着。山頂からの富士山は霞で視界不良が進み、やっと見える程度になっている。山頂では視界が悪いにも関わらず夫婦の登山者2組が景観を楽しんでいる。その内、1組の夫婦は500円紙幣を取り出し、裏の絵と実際を見比べ一致点について話をしている。暫くこの夫婦と山のことなど話をさせていただき、9時15分この夫婦と大峠まで一緒に下る。。
 大峠には9時50分に到着。駐車場には自分の車を含め、6台が止められていた。今日は下山時に姥子山から雁ヶ腹摺山へ登る途中で2人の登山者と、雁ヶ腹摺山から大峠に下る途中で3人の登山者に出会った。



今日の富士山


朝日に焼けたが靄で色が濁っている           4:55頃    





左同様(時間の経過と共に視界が悪化)        5:10頃  








姥子山山頂より西方向展望





立待月が月没を迎える所          午前4:45頃











山頂の様子


姥子山山頂(奥は雁ヶ腹摺山)        5:20頃    





雁ヶ腹摺山山頂(富士山が霞んで見える)      8:50頃








花の開花状況


登山道全般に開花が遅れているようで、姥子山山頂以外では開花を見ることが出来なかった。


 馬酔木(アセビ)    ツツジ科  
 姥子山山頂に咲く。未だ蕾で昨年に比べ開花 が大分遅
れて いるが、新芽も付けていない  アセビも多い。





キバナシャクナゲ(黄花石楠花)  ツツジ科   姥子山山頂
から30m程下った登山道際に咲く。








登山道の状況


 姥子山へは大峠から雁ヶ腹摺山経由で行くのが最短で一般的であるが、雁ヶ腹摺山〜奈良子林道取付間は滑り易い登山道で特に雨上がりの下りは注意が必要。往路は比較的楽であるが、復路は下って登って下るという、登りの多いコースなので結構ハードである。


   林道奈良子線の取付    6:55

 大月市内と雁ヶ腹摺山への 分岐
点      7:10頃

雁ヶ腹摺山への登りが延々と続く林
道奈良子線の取付から雁ヶ腹摺山に
向かう登山道   7:50頃

大峠の駐車場         10:00頃





行程:大峠(午前2:30発)→雁ヶ腹摺山(3:30通過)→林道取付(4:10)→姥子山(4:30着・6:35発)

                  →林道取付(6:55)→雁ヶ腹摺山(8:15着・9:15発)→大峠(10:00着)



                                           使用カメラ: OLYMPUS E-P2   FINEPIX F300EXR






4月25日 川山


  高川山は今年2月に訪れ、未だ3ヶ月にも満たないが、この間、雪景色から新緑の季節に移行し、生息する動物たちや自生する植物が一斉に活動を始め、春の野山は1年中で最も変化のある状況が作り出されていると思われる。山ではこれら動植物の息遣いを直接肌に感じ、自然の素晴らしさが実感できる。一方、この時期は菜種梅雨などと云われ雨の多い季節でもあり、晴れたとしても春霞や黄砂などで空気の透明感が損なわれ、富士山撮影がままならない状況もある。
 今回、昨日の雨で街が雲海に覆われる可能性に期待し、雲海上に佇む富士山が撮影できればと願わくは、高川山を訪れることにした。
 初狩駅東側のアンダーパスを潜り、登山口近くの空き地に車を止めたのは午前2時45分。霧が発生している状況で視界はあまり良くない。気温も高めで風もなく蒸し暑さを感じる。今回も男坂コースを登り、女坂コース〜沢コース(玉子石コース)を下山する予定である。
 午前3時、山頂に向かい出発する。男坂、女坂の分岐点を3時25分に通過。登るに連れ霧は濃くなる一方で、蒸し暑く少し歩いただけでも汗の出は半端でなく、眼鏡は曇り視界が殆どなくなる。ヘッドランプの灯りも霧に発散し先が見えないまま手探り状態で歩くが、気が付いた時にはコースアウトしたらしく急斜面が目の前に立ちはだかる。戻りながら登山道を探すが、視界が悪く10分程ロスタイムをする。汗の発熱と霧でどうしても眼鏡が曇るため、外して歩くことにするが、この方が余ほど良く見える。
 合流点を4時に通過、山頂に着いたのは4時20分。天空は明るみを帯びているが、霧で視界は殆どない。今日の日の出は4時55分頃、霧に動きはなくこの分では日ノ出時間までに視界が開けると思えないが、撮影準備をして待つことにする。
 6時20分頃になってやっと霧が取れ始め、富士山の姿も見えるようになってきたが、膜が張ったように抜けが悪く、富士山の存在感が薄い。写真に写るかどうか微妙な所であるが、取りあえずシャッタを切っておく。今日は空気中の水蒸気が多いようで、雲も多く全般に視界不良である。暫く待機し様子を見るが回復の兆しはなく、8時30分山頂を後にする。
 女坂コース〜沢コース(玉子石コース)を下山し、車の止めてある空き地に着いたのは9時35分。他に止めてある車はなかった。
 今日は山頂で誰とも会わず仕舞いであったが、沢コース(玉子石コース)を下山中に20名ほどの中高年の登山者グループと出会った。





今日の富士山


やっと富士山が姿を見せる       6:25頃    





山頂の山桜と富士山            7:50頃  









登山道と花の開花状況


 雨上がりのため登山道は滑り易く、特に下山時には注意が必要である。女坂コースで急峻な谷を横断する箇所では、ロープが張られているが、足場は悪く滑り易いので慎重に通過する必要がある。

 山頂の山桜は満開を迎えている。また、ギブシが可愛い花を咲かせている。今年は全般に花の 開花が遅いようで、今はモミジイチゴの花やタチツボスミレが全般に見られる。


 山頂の様子       5:40頃    
以前、ビッキーが岩の上で寝そべっ
ていた姿が思い起こされる

霧の膜で肉眼でも見られる 太
陽         5:40頃

ギブシ(木五倍子) ギブシ科   6:40
頃      (落葉低木)    

ヤマザクラ(山桜)   バラ科   6:50頃
  (落葉高木)




以下写真は下山時に撮影したもので時間を追って並べてある。


山頂直下の登山道   8:35頃
モミジイチゴ(紅葉苺)       バラ
科      8:40頃

登山道を横断する倒木(2月にはなか
った)  8:40頃

男坂、女坂の合流点  8:45頃




沢を横断する箇所(ロープが張られて
いる) 8:50頃    

タチツボスミレ(立壷菫)      スミ
レ科     8:50頃     タチツボスミレ
はバリエーションが多い

女坂コースから沢コースへの分岐
点     9:05頃    

ヤマブキ(山吹)           バラ
科   9:15頃




玉子石(斜面の途中にある)      
    9:30頃





女坂、男坂コースの登山口        
    9:35頃








                                                  使用カメラ: ・OLYMPUS E-P2   ・FINEPIX F300EXR